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2002年JFL 第15節 27/10/2002 13:00 K.O.
○ 佐川急便東京SC 3-1 Honda FC 鴨川陸上競技場 晴れ 佐川東京 3−4−2−1システム 竹谷のアシストから、ペナルティエリア内の笠木が右足で佐川東京の3点目となるゴールを決めた。 ふと時計を見ると、試合はもうロスタイムに入ろうとしていた。 モチロン、ボクは、この「JFLダービー」の幕引きを飾るようなゴールを心の底から喜んでいたのだが、一方ではある別の、今までには感じたことのない、感情の湧きあがりをも感じていた。 非の打ち所の無い勝利だった。 立ちあがりこそ、ややHonda優勢の展開に「見えた」。と言うのも、佐川東京の試合運びと言えば、序盤は相手の出方をじっくりと見つつ、鉄壁のディフェンスラインが相手の攻撃を完璧に弾き返す事で、次第に手が詰まり動きが鈍ってくるあたりから一気呵成に攻めたてる、というのが定番だからであった。だから前半多少試合を優位に進められても我々はあまり心配しない。 この試合で「名門」Hondaが見せた戦いぶりは、我々が知っているそれとは大分違ったものであった。Hondaと言えば、4-4-2のスタイルからサイドを基点にクロス&フィジカル重視、みたいな古き良きイングランドスタイルを想起していたのだが、今日はそうではなく、まずフォーメーションは3-5-2に近いものだったし、サイドからの崩しというおなじみの攻撃パターンも影をひそめていた。 これは、今シーズン、Hondaの得点パターンの一つであった右サイドからのクロス、突破を担っていた宇留野を今節欠いていたのが原因の一つ。更に言えば、前節積極的にチャンスメイクをこなした井上公平、久保寺の両サイドがやや引き気味に位置取り。サイドのスペースを塞いでいたからだ、と言える。 それでも、中盤でのプレスのかけ方、時折見せるミドルシュートの弾道の鋭さ、当たりの強さなどはJFLの他チームとはあきらかに一線を画していた。しかし、攻撃の幅は狭くいい形は作れない。目立ったシーンと言えば、立ちあがりのコーナーキックの場面、新田が角度の無いところから狙ったシュートを加藤が防いだひとつと、古橋のパスからペナルティエリア内で新田が見事なスルーで送ったボールが、左サイドをフリーで駆けあがって来た川島が左足でシュートこれはアウトにかかり過ぎたかゴールポスト左をすり抜けていった、という2つ。 佐川東京は、小回りの利く3トップが隙あらばHondaの浅いディフェンスラインの裏に抜け出そうとつっかけ、またチェイシングを繰り返す。 中盤での激しいボールの奪い合いから、ピッチ上のあらゆる場所で選手同士が交錯する。この試合は引き分けでも良かったHondaの守備は、バックチャージ、レイトタックル、服引っ張りときわどいプレーのフルコースといった感じであった。そんな中、井上公平と川島がホンダベンチ前で小競り合いを繰広げる、あっという間に両チームの選手たちが集まり、もみ合いの輪が広がった。こんなシーンは名古屋戦でウリダが退場になったとき以来だ。鴨川至上最高の290人の観客を収容したスタンドにも緊迫感が高まる。 双方ともになかなか決定機は作り出せず、前半もこのまま終わりを迎えようかという43分。熊谷が、右足首を捻挫し、無念の退場。しかし、ベンチにはボランチ要員はいない。どうするのか?私はてっきり、梶山を左に入れ、ユーティリティプレイヤーの久保寺をやや下がり目のボランチの位置に持ってくるものだとばかり思っていた。しかし、入ったのは笠木だった。 笠木はトップの位置に入り、馬目は左のシャドーに後退。マサオが3人の後ろに控える位置に入った。米山は下がり目に位置し、マサオとはほぼ縦並びの位置関係を形成した。 しかし、このような布陣での戦いは見たことがない。大丈夫なのか? 後半に入るとそれは杞憂であることがすぐに分かった。トップ下のスペースにマサオが入ったことでボールがよく収まり、却って攻撃にリズムが生まれた。 攻勢に移った54分、右サイドのスローインから、フリーの笠木がボールを受ける。笠木は猛然と中央に絞り込むようにドリブルイン。Hondaのキーパー中村が慌てて前に出ようというところを、右足でふわりと美しい放物線を描くループを放った。 プレミアの超新星、ウェイン・ルーニーもかくやというほどの優美な曲線は呆気にとられるキーパー&観客をあざ笑うようにゴール左隅に収められた。佐川東京、先制。 本人には申し訳ないのだが、正直、これには驚いた。今まで笠木新といえば、ポストプレイや力強い突破などパワー重視のファイター型プレイヤーとして認識していたのだが、こんなファンタスティックなゴールも決められるなんて・・・、スゲエじゃん! いよいよ尻に火のついたHondaが、中盤には里見、トップには去年の都田での試合において、その当たりの強さで佐川東京を苦しめた五味を投入。遮二無二攻めかかるが、前節、久々の完封試合を完成させた新生3バックwith加藤竜二は、集中を切らせることなくこれを抑えたので、Hondaの反攻はいづれも単発に終わった。 前掛りになったHondaの最終ラインの後ろに広大なスペースが空き始めると、お約束のように佐川東京のショータイムが始まる。攻撃陣が、思う存分にそれぞれの輝きを放ち始めた。馬目が股抜きを披露すれば、小幡は華麗なスラロームを見せる。いつもは点取りに徹するマサオがトップ下の位置から左右のスペースに自在にボールを散らしそれらを演出する。 80分、笠木がヘッドで送ったボールはペナルティエリア左に走りこむ馬目の前へ、さも当然のように、右足でこれを決めた馬目は、ロビー・キーンの弓矢ポーズを披露。多摩の横河戦で見せた高原より似てる?リケルメポーズにつづく新ネタである。 試合は完全に佐川東京のペース。このまま行けば勝利はカタイ。しかし、佐川東京は攻撃の手を緩めない。小幡に替わって、大砲竹谷を投入。竹谷はそのまま、シャドーの位置に。この起用もはじめて目にするパターンだ。惜しいチャンスを外すシーンもあったが、積極的かつ迫力あるプレーを見せ、スタンドを大いに沸かせた。 思えば、全体的にポテンシャルの低下を露呈していたとは言え、やはり強豪には違いなかったHondaを相手に、佐川東京がこれほどまでに完璧な試合運びを見せるとは、誰が予想し得たであろうか?笠木がトドメのゴールを決めた時、手前ミソな話だが、ボクはこのチームの底力の強さ、成長ぶりに舌を巻いたというか、なんというか本当に心から感心してしまっていたのである。 聞けば、ペース運びなどのこの日の勝利への戦略、マサオがトップ下に入るスクランブル態勢に至るまで、予め折り込み済みだったという。 攻守の切り替えにややばたつきが見えたものの(勝負への積極的なプレーが生んだものと解釈しているのでノー問題)チームが一丸となって勝利を勝ち取るという姿勢。好守への全体的な意思統一…。 佐川東京といえば、これまで選手個々のタレントぶりについては良く言われていたらしい。(といっても日本のマスコミとか言論においては、如何なるカテゴリのチームにおいても「選手論」の域を超えないことが多いので仕方ないのだが…)しかし、この日改めて感じたのは、戦術的な部分のみならず、メンタル的な部分も含めての、チームという名の個々の「集合体」としての完成度の高さである。 佐川東京が、JFLに参加してわずか2年目。 「もしかしたら優勝はまだ早いのではないのか?」と思うこともままあった。しかし、この日の勝利を目の当たりにして、改めて確信した。 佐川東京こそ、俺たちこそ王者にふさわしい、と。(だからこそ、防ぎようのなかった、終了間際の古橋の敵ながら見事なボレーも、余裕の拍手を持って見送ることができた。) 残り2試合。戦いは続く。(K) 二週間前はバスだったが今回は電車である。それもいままで乗ったことがない特急だ。東京駅京葉線地下ホームだ。総武線地下ホームよりも遠いけれど、実は有楽町駅の京橋口から歩いて2分だ。どうだ。というか先週のバスは細い道を行くのでつらかった。安房鴨川といえば魚がおいしいところではあるが、今まで鴨川で魚を食べたことがなかった。が、今日は試合の前に安房鴨川駅そばの回転すしで地物の寿司を食べた。いわしとかんぱちとさんまときんめだいとしまあじが美味い。どうだ。というか、今までぎりぎりだったり用があって時間がなかった。前回はJascoで買い物をしていったら負けた。なもんで今回は、Jascoはスルー。Bパターンだ。どうだ。というか、めんどくさかった。そのうえ前回までは駅からバスとタクシーでしか行ったことがなかったが、車で来ているうちのメンバーに迎えに来てもらった。どうだ。というかバスやタクシーがだるかった。そのうえこれまで試合前にアルコールは飲んだことがなかったが、もうそんなことは言っていられない。運動公園入口のコンビニによってビールを買って飲む。どうだ。というか寿司を食ったら飲みたくなったのだ。思いつきだったが結果としてここまでゲンを担いで負けたら人として生きていくにはどうだろうと思えるくらいこれまでとは異なることを行いまくり、スタジアムに到着した。 するとHondaの応援団がバス2台で来たことを知る。すごい。おまけに選手はスーツに揃いのキャリーバックだという。すごい。そのうえ、あいかわらず、断幕の数が尋常ではない。「燃えろXXX」とか(いや、燃えちゃうとまずいかと…)。「輝けXXX」とか(あの、ご本尊様かなにかでしょうか?)。アウェイゴール裏いっぱいに張られている。が、それでも足りないらしく、なんとホーム側にまでHonda側の断幕が貼られていく。すごい。これは本当にすごいことになった。まるでアウェイである。静岡の人々のやることは相変わらず謎だが、謎は今日も深まった。文化の違い、民族の違いを許容しかつ積極的にその差異を認めるのが国際人たる我々である。呆然と眺める。 しかしながら、実は、アウェイ上等なのだ。なんといっても、今年佐川東京はアウェイで負けなしである(ということは、2敗は全部ホームということ。まずいがこのさい目をつぶる)。我々は、このどんなことでも都合よく解釈するすばらしいゲン担ぎを行い、和やかに、勝利を確信した試合前なのであった。 試合がはじまる。佐川東京は慎重な入りである。それもこれも、JFLの雄Honda相手なのだ。一筋縄でいかないことはすぐにわかる。しかしながら、先々週の大塚よりも怖さはない。怖いといえばバス2台で押し寄せたHonda応援団の方々の応援。そんな彼らのまるで韓国の“親切応援”のごとき単調なバンガーズによる手拍子応援には心底恐怖を覚えた。なんといっても、死ぬほど、この親切応援スタイルが嫌いな筆者である。一気に不愉快になる。が、その時だった。我々に助っ人とも邪魔しにきたともつかない子供の集団が合流したのだ。どうやら地元鴨川の少年サッカー団の子達のようである。引率の方が「仲間にいれてくれないか?」という。「来るものは拒まず、去るものは追わず」をモットーとする我々は「どうぞどうぞ」と子供達を受け入れる。 子供達が「かして」というので、タスキを渡す。フラッグやゲートフラッグも渡す。子供達が我々の前でそれらをふっている。一気に大応援団の雰囲気になったといってはいいすぎだが、それはそれ、そんなことは気にしない。子供には優しいが、何があってもペースを乱さない我々である。最初のうちはとまどっていた子供達だが試合が進むにしたがって旗の振り方も応援にあわせるようなリズムが出てくる。いい雰囲気であったといえよう。 試合はとにかく3対1で勝利である。よかった。よかった。負けたら鈍行のつもりだったが、勝ったので帰りも特急だ。もしも最後の1点がなければグリーン車。もしも10対0なら貸切お座敷列車。と、妄想はエスカレートしたが、そんな金はない。とにかく勝利を喜び特急で帰途に着いた。同じ列車の指定席にはHondaの選手たちがいた。彼らが大量に購入に至ったため、駅の弁当が売り切れ。後から来た乗客のための弁当はなくなっていたようである。若さである。我々は帰り際Jascoで食料を調達していたので事なきを得たが、今日は、最後までアウェイ的状況であったともいえるかもしれない。(Y) ![]() 27/10/02 @Kamogawa Ultra Kids ©Copyright 2002 tOkYo rAiDeRs 東京Raiders制作による当日配布された東京レイダーズ通信はこちらからダウンロードできます。PDF化されていますので、Acrobat Reader等をお使いの上ご覧ください。 |