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tOkYo rAiDeRsによる観戦試合のメモです。次節のためにウソをつくこともありますのでご了承ください。


JFL 第8節  11/05/2003 13:00 K.O.

YKKFC 0-3 佐川急便東京SC

魚津市桃山運動公園桃山陸上競技場  曇り

佐川急便東京SC 3−4−2−1システム
      笠木(馬目)
    戸田 光岡(嘉悦)
 米山 熊谷 山根 田島
   富山 鈴木 伊藤(川村)
        加藤
<その他リザーブ:佐野、井上>

♪へ〜っどら〜い て〜るら〜い
た〜びは〜 まだ〜 おわら〜な〜い〜

NHKの番組『プロジェクトX』のエンディングテーマである、 中島みゆきの歌が、バックスタンドの向こうにかすんだ日本海に向かって響く。 哀調を帯びたバラードは試合前の高揚感を否が応にも殺いでいく。

別に中島みゆきのこの曲も、件の番組も特に好きでも嫌いでもないんだが、 試合直前に何もそんな終わっちゃった感の激しい曲を流さなくても良いのに、と他人事ながら思った。

みると、YKKのサポーターはこの曲に合わせて、 マフラーだかタオルマフラーだかを掲げていた。

少なくとも僕にはちっとも理解できなかったが、 ここは富山で、YKKの本拠地は件の番組でおなじみの黒部だ。 こんな演出も不思議ではない、のかもしれない。

アウェイに乗り込んできたレイダーズはメインスタンド上部にある、 立ち見スペースに陣取っていた。すると、YKKに招待された、地元のサッカー少年とおぼしき 一団が、めざとく見つけ、近くに集まってきた。小学校低学年〜中学年くらいだろうか。

レイダーズの目が怪しく光る。それもそのはず。ジュビロスタジアムの静岡産業大学戦、 鴨川のHonda戦等、地元の子供たちが、佐川東京の味方についたときは、いい内容で勝っている。 「”座敷わらし”みたいなモンか」と誰かが言った。

「オイ、みんな。白い方(佐川東京)応援しようぜ、白い方。白い方のが強いし、面白いぞ!」

早速、手馴れた様子で、地方の子供たちをマインドコントロールし始めていた。 コールを教え、「青い方(YKK)が来たらブーイング」と仕込む。 お陰で、YKKが少しでも攻勢をかけようモンなら毎回盛大なブーイングが浴びせられることになった。 自分たちが招待した子供たちから、である。哀れという他ない。 ブーイングさせた張本人たちはというと、それを見てニヤニヤ笑っていた。 実に悪辣な連中だ。(苦笑)

前半早々、キーパーをやっているという子が 「サガワトーキョーの方が強いね」と、言った。子供は正直だ。 彼はその後、引率のコーチから、加藤竜二のコーチングや、ポジショニングを参考にするように言われていた。

YKKは、序盤からパスをつなぎ、中盤を支配しようとしていた。 元ベルマーレ平塚、京都パープルサンガの松川や、キャプテンの星出といったあたり 構成力のある選手はいるようだったが、 パスを受ける動き、スペース作りの動きに乏しく、あと一歩の展開が無い。

佐川東京は、中一日で迎えていた5月7日の佐川大阪戦とは見違えるような、良い動きを見せていた。

ボールを奪われると、コンパクトに保たれた中盤がすぐに反応し、ボランチ、ワイド、ストッパー、 そして時には3トップの一角でたちまち三角形を作って囲い込み、ボールを奪う。 最終ラインもよくコントロールされており、何度もオフサイドを取った。

パスもテンポ良くつながり、何度もYKKディフェンスの裏を取る。 笠木が下がってトップ下のスペースでポストを入れ、ツーシャドーがそれを狙う。 …というカタチを狙っていたようだが、これはややプレイの精度を欠き、 呼吸も合っておらず、不発に終わることが多かった。 しかし、この試みがYKKディフェンスにほころびを生じさせていたかもしれない。

今日は、怪我でベンチからも外れていたマサオに替わって期待の戸田が先発。そして初のフル出場。 非常に運動量が多く、積極的なチェイシングとスペースへの動き出しが光っていた。今後はもっとゴールを狙って欲しい。

前半15分。佐川東京が得た先制点は、前節に続きコーナーキックから。 ゴール前に上がっていた伊藤琢矢がいまだ取れない包帯の上からヘッドでズドン。

YKKは積極的に攻撃を仕替けようとするが、攻守の切り替えが遅く、また松川を経由しての展開も右サイドに偏りがちで守りやすく、 縦一本を狙えば、オフサイド、と。すっかり手詰まりの様子であった。

前半30分。ゴール正面25m付近でのファウルで得たFKを田島が壁の下を抜くグラウンダーのシュート。 これをGKがなんとトンネル。2点目。

38分。YKKベンチが早くも動く。一気にFW2枚替えだ。しかし、試合の趨勢は変わらない。

佐川東京の思惑通りに、前半終了。YKKの中盤のプレスのかかりの悪さと、 ディフェンスラインの統制の無さから見て、後半、このままいけばまだ点が入るかもしれないとすら思った。

YKKは、後半開始から、FW市ノ瀬を投入。忘れもしない去年の最終戦、この桃山で一仕事した男だ。 しかし、3枚目のカードだ。古前田監督の焦燥が、見える。

それを見透かしたような出来事が起きたのは、後半開始早々の46分。 佐川東京が相手陣内でファウルを奪うと、熊谷が早いリスタートから中央やや右よりの 光岡へ。光岡は、ゴール正面に向かってフリーランニングを開始していた笠木にスルーパス。 YKKのディフェンスは付ききれない。 GKと一対一になった笠木は落ち着きはらってこれをグラウンダーで流し込み、3点目。そして、今季初ゴール。 出鼻を挫くとは正にこのことだろう。0-3。試合は、これで終わったといってよかった。

当然、攻勢に転じなければいけないホームのYKK。 松川、坪田といったあたりが、時折個人での突破を図るが、巌にぶつかる日本海の波のように、ことごとく砕け散った。 プロジェクトXのような逆転劇はそうそう起こらない。 心が折れたか、次第にラインも間延びし始め、佐川東京の中盤に思うように仕事をさせた。田島から、鋭いクロスが何本か入る。後半開始時にYKKベンチは全てカードを切っていたため、打つ手は、ない。

危なげなく、試合終了。

確かに、去年、あの食い下がりを見せたチームとは思えないほどのYKKの出来に、拍子抜けした感はあるが、 佐川東京のフットボールが、かなり完成度を高めてきているのもまた事実。 前線での故障者が多く、思うようなメンバーが組めない現状ではあるが、 替わりに出てきた若い戸田や笠木が遮二無二結果を出そうとするアグレッシブな動きが、一つ一つは実らなくとも 結果的にゲームに活を入れていたように思える。

また、注目の山根なのだが、ディフェンス能力の高さや運動量、ポジショニング、シュート力、ドリブル、 とあらゆる局面のあらゆるプレーでそのポテンシャルの高さを印象付けてくれているが、唯一惜しむべきは、 周囲との連携が今ひとつ構築できていないというところ。山根からのパスが周囲の動きにあっていない場合と、 逆に山根のパスに周囲が「感じていない。(C)木村和司」場合と両方あるが、これさえ構築されれば、 きっとトンでもない中盤が形成されるであろう。いくつかのパスミスも、湯浅健二センセイ言うところの「勝負のパス」 なわけだし、今はまだだが、それを予感させる萌芽と捉えている。

さて、久々に、余裕の勝利という感じであった。国士舘がジヤトコを町田で血祭りに上げていたため、順位こそ変わらなかったものの、じわりと上位にせまる位置につけている。このまま行って欲しい。 レイダーズの近くで応援していた座敷わらしたちは、去り際、「サガワトーキョー今度はいつ来るの?」と聞いていた。すっかり気に入ったようである。子供は正直だ。(K)




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