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JFL 第11節 01/06/2003 13:00 K.O. 佐川急便東京SC 2-0 国士舘大学 国立西が丘サッカー場 曇り 佐川急便東京SC 3−4−2−1システム 「プロ」である、Jリーグではあり得ないことなのだが、佐川急便東京SCのホームゲームでは、来場者に当日の「実際の」メンバー表を配布している。 他チームでもやっているところとやっていないところがあるようだが、これは良いことだ。 メンバー表にはフォーメーションや簡単なパーソナルデータまで載っていて、 試合開始迄のやや手持ち無沙汰な時間は、これを見て、あーだこーだと展開を予想したり、これからピッチに出てくるであろう選手たちに思いを馳せたりするのが専ら習慣となっていた。 そうしているうちに試合に向けて気持ちが少しずつ、高揚していく。好きな時間である。しかし、この日のメンバー表は「毎週の習慣」というイメージに似つかわしくない、相当な破壊力を持っていた。目が覚めた。 愛媛でのまさかの大敗から、多少のメンバーの入れ替えをイメージしていたのだが、いざ蓋を開けてみれば「多少」なんて生易しいモノではなかった。まさに大改造を施したという感じだ。 まず、もっとも目を引いたのが、山根の位置である。彼は、これまでボランチの前目をこなしていたのだが、今日はシャドーの位置である。馬目がトップ。ボランチの一角には二年目の津村。右サイドには田島に替わって久保寺。 システム自体は変わっていないように見えるが、これまでは山根の動きからして純然たるダブルボランチとは言いがたいものがあったのだが、熊谷と津村という組み合わせはどう出るか? ぶっちゃけ、「ぶっつけ」である。だが、不思議と不安はない。個々の適性からして、ベターなチョイスだと思われたからだ。Bチームの練習試合などでクサらず結果を出し続けた若手のモチベの高さも期待できた。 ベンチには上り調子の田中マサ。ケガも癒えてきたか眠れるエース、マサオの姿があった。 対する国士舘は、同日に行われた大学選手権の明治大学戦に主力組を回しており、完全にBチーム。名伯楽大沢監督も不在で、佐藤コーチが采配を振るった。 とはいえ、JFL得点ランキングトップの俊足FW鈴木(弘)はスタメンに名を連ねている。 台風一過の晴天は期待できず、どんよりと曇った空の下、キックオフ。 序盤、国士舘はラインをグッと上げ、前からプレッシャーを掛けてきた。佐川東京は引いてこれを受け止める。 14番の舟木が右からドリブル。トップ下33番鈴木(研)が楔を受ける、が、鈴木(弘)の前に走りこむスペースは佐川東京のDFが早めに潰しており、快足を活かすシーンはなかった。 佐川東京は、前の3人が自由に動き回り、チャンスメイク。試合を通じて、国士舘の中盤のディフェンスは限りなく組織的で、楔のボールはすぐに囲まれ苦しくなったが、 最終ラインの後ろにスペースがあったので裏を狙うボールが増えた。馬目が果敢に飛び出しを試みるも微妙なタイミングでオフサイドにかかる。しかし、あきらめず狙い続ける。 シャドーに入った山根は水を得た魚のようだった。彼にボールが入ると、馬目、戸田がすかさずフリーランニングを開始。スペースが出来ると高速ドリブルもしくは鋭いパスを入れる。 戸田から、左サイドに走りこんだ山根にパス。山根からさらに中に入りこもうという戸田にリターンの低いクロスをいれると戸田がこれをスルー。ファーサイドの馬目がこれを受けてシュートを狙うも惜しくもキーパーにセービングされる。 …という西が丘の目の肥えたファンをして唸らせるシーンもあった。 先制点は21分。右サイドのコーナーキックから馬目がヘッド。キーパー金子がなんとかこれをセービングするも、そのこぼれをゴール正面で待ちかまえていた冨山が右足ダイレクトでゲット。先輩の威厳をキッチリわからせるゴールで先制。 これ以外にもやはりコーナーキックから久保寺がヘッドで狙ったシュートなど、セットプレイでは国士のDFはいずれも佐川東京の選手に付ききれていないようであった。 国士も今季JFLの社会人連中を恐怖に震え上がらせている攻撃力の片鱗を見せる。舟木の鋭いミドルやDF富士のPA手前から左足で放った直接フリーキックがバーを叩くなど、肝を冷やすが、流れの中での完全に崩すシーンはなし。 その他、左サイドに駆け上がった米山からの低く鋭いクロスを馬目が頭で捉えるシーンなど、ポゼッションでは劣るものの決定機は佐川東京が多く作り出す。注文通りだ。 後半、予想通り国士はさらに攻勢を仕掛ける。するとさらにバックラインの後ろにスペースが出来る。しめしめだ。 熊谷、伊藤、冨山がドリブルを仕掛け攻撃参加を見せる。しかし、集中力を欠く悪い癖が出る。国士の反撃の前に一瞬足が止まり、ディフェンスラインの裏にボールを通されるも加藤がセービング。その他、狭いスペースにボールを通してくる国士の攻めはなかなかのものだった。 76分。田中マサ投入。このところ好調で、流れを変える動きを見せている。マサはトップ下の位置に入り、山根とマノが位置にギャップのある2トップ気味になった。マサの足元にボールが入ると中盤にタメが出来た。キープ、ドリブル、パスの判断とタイミングが良い。 2トップの一角になった山根にも俄然ムチが入る。国士の中盤からバックラインにかけての動きはもはや鈍っていた。遂に82分。 中盤でカットしたボールを鈴木俊→熊谷→馬目→山根とダイレクトにパスを連ねる。おおっ!色めきたつ西が丘のオーディエンス。PA手前右45度付近でパスを受けた山根から、PA左サイドにかけてダイヤゴナル・ランを行っていたマサめがけて、 動きの落ちたDFラインを尻目に先輩の威厳をキッチリわからせるグラウンダーの見事なパスが入る。マサは落ち着きはらってこれを左足グラウンダーでファーサイドに流し込み止めを刺す2点目。見事なゴールだ。 その後、米山に代わって川村”ゴン”が入り変則4バックに変更する守備固めで、手堅く逃げ切り。あぶなげなく勝利した。 この試合、個人的に要注目だったのが、津村と熊谷の新コンビであった。これまで、津村は熊谷もしくは鈴木俊のバックアップという意味での起用しかなく、熊谷と組んでのパターンは初めてであった。 両者の関係性は横並びに近い、と思われたが、試合の中での役割は、熊谷=展開、ドリブル等、攻撃の第一歩。いわゆる”ボランチ(操縦桿)”で、津村=バックラインと中盤の間のスペースを埋める、つなぎをこなす。バランサー。 といった具合であった。これまで山根とのコンビでは熊谷がバランスを取っていたので、彼の本当の持ち味であるオフェンシブな部分は消え、キープ力がむしろアダとなるシーンすらあった。 津村が地味ながらもこのシステムでの肝となる位置をこなしたことで、熊谷や山根の才能の煌きを見ることが出来た。周囲との呼吸がやや合わない部分があったが、それを補って余りある中盤での守備は、国士のアタック陣に先輩の威厳をキッチリわからせる粘り強さであった。 …って、津村は駒澤か。(K) 東京Raiders制作による当日配布された東京レイダーズの「紙」はこちらからダウンロードできます。PDF化されていますので、Acrobat Reader等をお使いの上ご覧ください。 |