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JFL 第14節 20/06/2003 18:00 K.O. 佐川急便東京SC 1-1 ジヤトコ 江東区夢の島陸上競技場 薄曇り→きれいな夕焼け→湾岸の夜景 佐川急便東京SC 3−4−2−1システム ジヤトコというチームは、実に薄気味の悪いチームである。 佐川東京との過去3戦を見た結果の印象である。 プロなのかアマチュアなのかもわからない。どんなフットボールをしてくるのかもわからない。 メンツは変り映えしないのにゲームプランも守備の仕方までその都度違う。ワケのわからなさでは世界レベルだ。 ただ、今、一つだけ言わせてもらうならば、味方のファンにまで言われている「強いのか、弱いのかわからない」という 一般的な評価は間違っていると。正確に言えば、このチームは間違いなく「強い」。 2年前の雨の鴨川、スタンドからは見えないテントの死角で川瀬が何故か退場になり、その後 古邊を右ウイングに入れてまで攻め立てたが、結局敗れたという試合。 同じく2年前のクソ暑い裾野での試合。派手にミドルレンジからシュートを叩き込まれ、気がついたら負けていた。 去年の愛鷹では、何度も何度も何度も押し込まれつつ、最後は馬目のヘッドでがけっぷちの勝ち点3をもぎ取ったという試合。 1勝2敗。そのどれもが、何かドサクサ紛れに決まったようなものばかりであったような気がする。 実力が拮抗しているチーム同士にありがちな現象なのかもしれない。 苦戦は予想の上だった。しかも、今年のジヤトコは大塚に黒星をつけている。厄介だ。 試合は序盤、佐川東京がやや押し気味に進める。これに対するジヤトコディフェンスは、4バックだがセンターバックの繁田がトップの馬目を 密着マークし、もう一枚の葛野がカバーリングに。さらに左右両サイドのうち少なくともどちらか一枚が下がってシャドーの動きを警戒するという感じだったようだ。 去年の愛鷹のゲームでは、両チームとも強気にゴリゴリとラインを上げまくり、センターラインを中心に20メートル程度かという猫の額のようなコンパクトなスペースでの攻防をしていて、 驚いたものだが、この日のジヤトコはボールを奪う位置がだいぶ深く、奪ったら即、縦にシンプルにつないで速攻、というパターンに徹していた。 基本的には人数は掛けないようだが、攻撃に切り替わると前の3人+1くらいですぐさま縦にフリーランニングをはじめ、スペースを作りに来る。動きに連動性が無く、怖さは無かったものの、 前目の選手はいずれもテクニックや身体能力に優れていて、ややこしい。 右サイドの小田切の攻撃参加も前半には見られた。対する、佐川東京。確かにセクハラまがいの繁田の密着ぶりには手を焼いた。思えば、繁田といえば、去年の愛鷹で殊勲の退場劇を演じた偉大な男である。 決定機とまでは行かないものの、馬目が奪ったファウルから米山の直接フリーキックがバーをかすめるなど、そこそこ得点の兆しはあった。 山根が巧みなボールキープで中盤でタメを作り、つないで攻め崩そうとする。 しかし、先制したのはジヤトコ。それは唐突に訪れた。34分。ゴール前の混戦から、川村のパスを左サイドの スペースで受けた河合がゴールライン際角度のないところから左足でゲット。崩されたという印象もなく、実に呆気なく決められた。 決まるときはこんなものである。そういえば、この河合には2年前にも景気良くやられていた。 後半、佐川東京ベンチが動く。久保寺out、井上in。これまでのパターンにはあまりない交代だ。 井上は3日前に行われたジェフ市原とのTMでいい動きを披露している。 ”コーヘイ!”コールで幕を開ける、フライデーナイトゲームの後半戦。期待が高まる。井上投入は、ハマった。 右サイドのオープンスペースを何度もついて、チャンスメイク。裏へ出たロングパスへの走りこみ、またはつっかけ、右サイドを抉りに行く。 時折、コントロールミスなどもあったが、奪われたボールは自ら奪い返しに行く。あきらめずに、狙う。 実直なプレーが、後半の流れを作った。これに触発されたか、山根が右サイドに流れる動きから、キレのあるドリブルを発動。ジヤトコのDF2人を振り切ってゴールライン際を疾走するシーンもあった。 56分、津村out、田中マサin。 さて、案の定というか、ジヤトコのバックラインと中盤は時間が経つにつれてさらに深く位置取り、前半見られたサイドバックのオーバーラップも減少。リスクを排してくる。 サイドをえぐられても、中央に築かれた人の壁が粘り強く佐川東京の攻撃をハジき返し続ける。そしてカウンター発動。 ジヤトコFW田澤が正に神出鬼没のポジショニングで時にはサイドのスペースへ、時には中央から裏への飛び出しで佐川東京を上回る決定機を作り出した。 60分経過。焦るほどの時間帯ではないが、そろそろとりあえず同点に持ち込みたい。しかし、流れは完全にジヤトコペース。田澤が再び裏を取る。オフサイドであったが、前に出た加藤と交錯。 倒れる、加藤。元々膝を痛めている。ああ、とスタンドから嘆声が上がる。…1分、2分。起き上がらない、加藤。佐野のアップに熱がこもり始める。ダメか、交代か? ピッチとスタンドの誰もがそう思うに充分な時間が経過してから、加藤はドリンクを口に含み、ゆっくりと屈伸して起き上がった。ベテランの佇まいである。 拍手と安堵の声が上がる。 鉄人、加藤竜二がゴールキックを蹴り、熊谷がそれをフィールド中央で受けたのが64分。ジヤトコにとって、それは空白の時間帯であった。 ついさっきまであれほどタイトだったマークも、効いていたプレッシャーも、まるでどこかに置き忘れたように、緩慢であった。 熊谷から、前線の馬目、逆サイドで完全にフリーのマサオと通り、同点。 奇しくも加藤が傷んで空いた時間帯が、ジヤトコに行っていた流れを止める結果となった。 穿った見方だろうが、OKが出てから、フィードを蹴るまでの加藤の動きからは、 流れを読み、間をはかり、勝負を左右する「一瞬」を逃すまいとする意思のようなモノすら感じられた。(ような気がした)ベテランの味、であろうか。 その後も攻め立てるも、ドローでも良しと考えたか人数を掛けたジヤトコの守備は堅く、また、中盤でボールを拾われカウンターに遭い時間をロスし、結局またワケのわからないうちにドローに終わってしまった。 さて、今回。ジヤトコほどの戦力を誇るチームでさえ、佐川東京とやるときには、ディフェンシブな戦いを仕掛けてきた。 それは、さして驚くことではない。自軍ゴール前にいくら人数を掛けられたとしても、それを崩せるようでなければならない。 そう考えると、深く位置取った相手ディフェンスラインを引っ張り出す常套手段として、もっと中盤からミドルシュートを狙っても良かったし、 また、前線に関してはスペースを作るための第3の動きに乏しかったというのも事実だ。その点、ジヤトコの選手は、中盤でのルーズボールの競り合いに勝つことをまず前提に、 速攻時には必ずフィニッシュに近い形まで行って終わらせようという彼らなりの意思は感じた。悔しいドローには違いないが、次はHonda戦。切り替えなければいけない。天皇杯シードの希望は露と消えたが、去年の鴨川「3-1」の再現で、前期有終の美を飾りたい。(K) 東京Raiders制作による当日配布された東京レイダーズの「紙」はこちらからダウンロードできます。PDF化されていますので、Acrobat Reader等をお使いの上ご覧ください。 |