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tOkYo rAiDeRsによる観戦試合のメモです。次節のためにウソをつくこともありますのでご了承ください。


JFL 第15節  28/06/2003 18:00 K.O.

佐川急便東京SC 0-1 HondaFC

江東区夢の島陸上競技場  曇り

佐川急便東京SC 3−4−2−1システム
     馬目(笠木)
   山本 山根
米山 熊谷 津村 井上(田島)
  冨山 鈴木 伊藤
       加藤
<その他リザーブ:佐野、川村、久保寺>

負けた。

タイムアップを告げるホイッスルが鳴ると、アウェイ側のベンチ付近で、ふいに歓声が上がった。「名門」Hondaの選手とスタッフが抱き合い、飛び跳ね、両手を天に突き上げて雄たけびを上げていた。 彼らにとっては最早珍しくないリーグ優勝が決まった瞬間を超えるのではないかというほどの、それはそれは身も世もない喜びようであった。

伏線は、あった。思い起こせば1年前、鴨川での首位攻防戦は笠木の美しいループを皮切りに佐川東京が3得点、完勝した。結果、優勝争いは混沌とした。この敗北がトラウマにでもなったか、その後の警戒ぶりたるや 完全に「アマチュア」の域を超えていた。

開幕戦のときだった。レイダーズのあるメンバーが恒例の「紙」を配っていると、一人の男性が話しかけてきた。いかにもという風貌ににっくきHondaのエンブレム入りジャージというわかりやす〜い外見で、 「私、Hondaのスカウティング担当なんですけど…」 ご丁寧に自己紹介までして、「ビデオ撮ってもいいんですかねえ」ときたらしい。メンバーは爽やかに「いやあ、わかんないッス!(知るかボケ!つーか撮るな←本心)」と応じた。クレバーな対応である。

その後も世間話に交えながら巧みに「田島は出てるの?ポジションは?」などとチーム状況を聞き出してくるのだから、油断も隙もない。メンバーはまたしても「いやあ、それにしても今日はいい天気ッスねェ!(爽やかに)」と無難な話題に切り替え、危機を脱していた。

彼は、3節のクソ暑い多摩にも、ときにはアウェイゲームにまでくるひもくるひもやってきた。どうも、佐川東京の試合をずっと偵察し続けるらしい。涙ぐましい努力である。

そんな「必死ぶり」が実ったのかどうか知らないがアウェイHondaの序盤の攻め掛りは見事であった。中盤の高い位置からのプレッシャーの掛け方、攻守の切り替え、パススピード、運動量、あたりの強さ…。あらゆるポテンシャルが他のチームとは一線を画している。 そして、前線に待ちかまえているのは、誰あろう、古橋である。

中盤の中央3枚が連動し、なおかつ最終ライン3枚は基本的にはどんどん押し上げ、より中盤のスペースをコンパクトなものにしていく。動き出しの遅れが目立った佐川東京の中盤から、すばやいプレスでボールを奪うと、スピードのある左サイドの川アへはたく。 川アが攻め入ってくる佐川東京の右サイドには伊藤が待ち構えていて、ほぼ完全にシャットアウト。エグってのクロス供給が出来ないことを悟ったか、早いタイミングでのアーリークロス中心に切り替えてきた。このクロスも、そんじょそこらのJFLチームによる 引きこもりカウンターからのなまくらクロスとはワケが違う。まるで生き物のように、意図有る放物線が 低い鋭い軌跡を描いて何度もPA内に入ってきた。

14分。Hondaの先制点はそのカタチから生まれた。川アが上げたクロスをPA内で鈴木滋が受ける。鈴木滋の前には佐川東京のDFがついていたため、鈴木滋はこれをPAやや手前左45度にいた古橋にパス。流石に古橋、である。 彼は憎らしいまでの冷静さで、やや前に出てきていたGK加藤の位置を見定め、ワンタッチでやわらかくカーブを掛けたシュートを右足インフロントで放った。美しい曲線はゴール右隅に決まった。文句ナシのスーパーゴールだった。

この後も古橋は、アクロバティックなシュートを狙ったり、難易度の高いトラップ&足技で見せつけ、攻撃の起点となった。つくづく嫌なヤローだ。おっと、失礼。

さて、佐川東京。中盤を掌握されたものの、相手の浅いディフェンスラインの裏を狙う展開。後方からのフィードや、井上からのグッと曲がるアーリークロスを馬目やマサオが狙い、何度か裏を取れそうになる。このままの展開ならば、決定機が生まれるのではないか? というのは少々甘い観測であった。

後半、佐川東京は攻勢に出る。だがそれを見越したか、序盤の攻勢から手のひらを返したようにディフェンシブになった名門、Honda。まさか、もう逃げ切り態勢?中盤のプレッシャーのかかりも心なしか弱まり、前半全くといっていいほど機能しなかったダブルボランチからパスが出始め、 前3人が狭いスペースで巧みにボールをつなぐ。これこれ。これが見たかったんだよ。中央突破を狙う佐川東京に対して、PA前後のあたりで人の壁が出来、青と赤の攻防は専らそこで行われた。だんだんと試合の流れが佐川東京に来始めると、HondaDFのファウルが増加。PA手前からの直接FKを米山が狙う。田島(in60min)が狙う。 CKからも惜しいシーンを連発。この日、好調だった伊藤のヘッダーがわずか左に。ああ。と頭を抱える夢の島のオーディエンス。

それにしても、この日のHondaのファウル、特に背番号25番岩渕智英君の豪快な削りっぷりには本当にウンザリさせられた。しかも何度も。どうも、レギュラーの安部がサスペンションを喰らった事で、彼にお鉢が回ってきたようであるが…。あのな。まあ、気持ちはわからないでもない。 キミも大一番にイキナリ出番が来て、テンパってたんだろうし、馬目にPA内でスコーンと股抜きされたりして、ムカついてたりしたんだろ。でもさあ。あれはねぇんじゃないの?あれは。おめーら、名門だろ?だったらファウルするんでも、もうちっとエレガントにやれや。名門らしく。ヘタクソすぎんだよ。背番号25番の岩渕智英君よ。 ってまさか、指令が出てたわけじゃないよな。安間さん。えーっ? …おっと、少し取り乱しました。(苦笑)

後半80分。馬目が削られて負傷交代…。笠木新in。いよいよパワープレーの様相が強まる。「トミー!冨山!上がれ!」ベンチの川村ゴンの声が響く。冨山まで上がり、スクランブルの大空中戦。しかし、こうなるとHondaに一日の長有りだ。ついにゴールをこじ開けることは出来ず、タイムアップ。

場違いなカーニバルが繰り広げられた反対サイドでは熊谷がスタンドに向かってがっくりとうなだれ、しばらく顔を上げられなかった。負けはしたが、緊迫感の有る良い試合ではあった。しかし、勝たなければならない試合だった。安易な精神論は語りたくないが、「必死ぶり」とリアリズム溢れる90分で、「この一勝」を追い求めたHondaに対して、佐川東京の「この一勝」への執着はどうだったか? 例えばこの日、面白みには欠けるものの基本プレーを忠実にこなしたのは、Hondaだった。佐川東京はここぞの局面でつまらないパスミス、連携ミスで流れを自ら立ち切ってしまっていた。また、パス、キープ、シュートの判断の遅れも目立った。終盤のパワープレイは、そうした自ら悪くした流れのツケだ。そんなモノが決まるワケがない。 「必死」にやれ。とは言わない。ただ、佐川東京「らしい」フットボールを取り戻してくれれば良い。そして、その上で次なる一手を見せて欲しい。この中断期、切にそう願う。

首位Hondaとの勝ち点差は「9」。次回のHonda戦は、11月9日の都田。オトシマエは、つけなければならない。(K)


東京Raiders制作による当日配布された東京レイダーズの「紙」はこちらからダウンロードできます。PDF化されていますので、Acrobat Reader等をお使いの上ご覧ください。




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