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JFL 第17節 25/07/2003 18:00 K.O. 佐川急便東京SC 3-0 デンソー 江東区夢の島陸上競技場 曇りのち雨 佐川急便東京SC 3−4−1−2風の3−4−2−1システム 正直、唸った。 誰あろう、山根にである。今年佐川東京に来てからのプレーを何度となく見て、流石と思わせる上手さを随所に感じてはいた。 しかし、ポジションや連携の問題からであろうか、シーズン序盤はそれが充分に輝きを放っているとは思えなかった。 今日の山根のポジションは、最近定着してきつつある、シャドーストライカーの位置である。 とはいえ、例によって前3人は基本的には流れによって自在に動き、シンプルかつ説得力ある攻撃の形を創造していった。 強いて言えば、山根は、前に張ったりスペースに流れたりするマサオや馬目に対して、いわゆる「トップ下」的なスペースでこれをサポートすることが 多かったようである。 山根の位置にボールが入ると、ある時は早いタイミングでさりげなく巧みなパスを出し、 ある時は細かいステップのドリブルでデンソーの中盤をぶち抜き、また絶妙なタメをつくり、佐川東京の攻撃にエスプリを加え、 平日夕方に集まったファンをして大いにため息をつかせた。 その他、前3人の動きで、1人がサイドに流れそこにボールが出て、もう1人が中央を斜めに切り込み横パスを受けて裏に抜け、チャンスを作ったり、 米山のドライブシュートがバーを叩いたりと惜しいシーンを何度も演出した。 これに対するデンソーは、いつもながら強気な4ラインのゾーンディフェンスから、 ボールを奪えば素早くそれでいて正確にタッチの少ないパスをつなぎ、右サイドを中心に崩し、早いタイミングでのクロスとシュートを狙ってきた。 佐川東京も、あからさまな引きっぷりでこれを受けたわけではなく、基本的にはPAの手前でプレッシャーをかけ、 中央は完全に封じた。が、前述の右サイドからの攻撃はなかなかのもので、14番の突破から危ないシーンが幾度か。 しかし、GK加藤の素早い処理などで大事には至らず。また、右サイドでは井上のタッチライン際の粘り強い守備が効いていた。 両チームの中盤が非常にコンパクトなエリア内でせめぎあい、奪い合ったボールを小気味良く、丁寧につないでいく。 実に見応えがある。デンソーは良き敵である。もっとも、いつもながらダーティーなチャージがイチイチ試合に水をさしたのだが。 0-0で迎えたハーフタイム。周囲の佐川東京びいきのファンは、一様に笑顔を見せていた。 ホームで、相手がどこであろうと、スコアが動かずとも、意味のある0-0だと、これが佐川東京のゲームだということは、 もう、先刻承知なのかも知れない。後半のショータイム待ち、というわけだ。ふと、ある人が僕のところにやってきた。その人は、あるJリーグのチームをサポートしているという人だ。 何度か夢の島に足を運んでくれている。フットボールに詳しい人だ。 もっと派手な試合を期待してくれていたのかもしれない。 前半の展開がお気に召さなかったのか、笑顔混じりで鋭いツッコミを入れてくる。 他者の視点は貴重だ。なるほどと思える指摘がある。耳を傾ける。 侃々諤々「言葉のフットボール」も悪くないが、あいにくと僕はそれほど詳しくない。 「まあ、後半見ててくださいよ。絶対、ヤリますから。」と返した。 確信が、あった。 後半開始まもなく、49分。左サイドで3〜4本連ねられたダイレクトパスの最後の一本が熊谷から、裏に抜け出た山根に通る。 山根からPA内に糸を引くような美しいクロスの軌跡が伸びた。 これをゴール前に侵入した馬目がマークを振り切り、ジャンプ一番ヘッドで決め、先制。非の打ち所がない。 デンソーの積極的な試合運びは、いつも、後半時間が経つにつれて仇となる。 ディフェンスラインの統率は緩み、中盤のスペースが空き始める、と、佐川東京のフライデーナイトショウの到来をいやが上にも予感させる。 山根が、マサオが、馬目が、米山が、熊谷が、かわるがわるドリブルで、パス交換で、フェイントで技を見せる。面白い。 強まっていく雨足をモノともせずに。 73分。左45度の角度から、山根がワンタッチで美しい弧を描くバッジオ風シュートをゴール右スミに決める。 89分。食後のデザートは、中盤で自らボールを奪った熊谷が負けじとループを決め、けれん味たっぷりに3-0。 余裕ある試合展開からか、嘉悦は温存。シーズン前の練習試合での痛恨のケガから前期を棒に振った、ブレイク待ちの期待の主砲、 「佐川東京のひとり無敵艦隊」「江東のファンニステルローイ」「砂町の爆撃機」「湾岸の…」(←もういい) …ともかく、竹谷英之が登場。期せずして山根、津村と市船カルテットを形成。 いずれ劣らぬタレント揃いの攻撃陣にあって、彼の存在はキーポイントともいうべき貴重なターゲットマンだ。 降りしきる雨は、復活を祝福しているのか? 殊勲の2試合連続ゴールを決めた馬目と交代で入ると、早速前線に入り、中盤がボールを持つとすぐにスペースに流れながら手を上げてアピール。 ボールが出たら、確実にポスト、キープ、ドリブルでデンソーゴール前への礎となる。オフザボールも良し。ルーキーイヤーの序盤に見られた「迷い」がプレーから消えた。 活動時間は限られるだろうが、なかなかの出来であった。これも収穫だ。 試合が終わると、ハーフタイムの人が、笑いながら右手を差し出してきた。 「言ったとおりでしょう?」ただそう言って、その手を握り返した。 いよいよ雨は強くなっていった。実に気持ちのいい雨だ。(K) 東京Raiders制作による当日配布された東京レイダーズの「紙」はこちらからダウンロードできます。PDF化されていますので、Acrobat Reader等をお使いの上ご覧ください。 |