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tOkYo rAiDeRsによる観戦試合のメモです。次節のためにウソをつくこともありますのでご了承ください。


JFL 第18節  03/08/2003 18:00 K.O.

佐川急便大阪SC 1-0 佐川急便東京SC

長居スタジアム  晴れ

佐川急便東京SC 3−4−2−1システム
     馬目
   山本 山根
米山 熊谷 津村(竹谷)井上(嘉悦)
  冨山 鈴木 伊藤
       加藤

地下鉄の御堂筋線に乗って、驚いた。 「長居」という地名を僕はこれまで、何の疑問も無く「ナガイ(→)」と平坦な発音で 口にしていたものだが、車内アナウンスでは「ナ(↑)ガイ(↓)」と「ガ」にアクセントを置いていたのである。 関西に訪れるのがはじめてというわけではないが、軽いカルチャーショックとともに、やはりここは、未知の世界なんだと改めて感じた。まあ、どーでもいいが。

地下鉄の車内では、普段はTVでしか聞く事のないようなネイティブ関西弁がけたたましく飛び交い、向かいに座った 若い男と女は”コテコテ”の関西弁でなぜか”メッチャキッツイ”下ネタトークを展開していた。(かなんわもう)と思考まで関西テイストになり 思わず見上げると”ケッタイ”な極彩色の広告がならび、その中から2度付け禁止の串焼きソースを思わせるガンバ大阪宮本の濃厚な笑顔が僕を見下ろしていた。

この、どうにも居心地の悪い違和感は、ナガイならぬ「長居」に到着して、一層強まった。

長居スタジアム。――2002FIFAワールドカップ(TM)本会場。 今となっては懐かしい「白い魔術師」トルシエに率いられた日本代表が、チュニジアを撃破し歴史に残る決勝ラウンド進出を決定付け、 トゥルキエとセネガルが永久保存モノの素晴らしい試合を繰り広げた、由緒正しきハコである。 J2でもおいそれとは使えない。JFLでは間違いなく最上級の会場である。これで、隣の「第二」でセレッソ大阪が試合をしていたら最高である。 つーか、なんで長居なのか?「書類に”第二”って書き忘れて”長居”になっちゃったんじゃねーの?」軽口を叩きながら、スタジアムへの道を行くと、さらに驚いた。 JFLの、しかも佐川大阪の主催試合とは思えないほどの人ごみがスタジアム前に出来ていていた。うっかりこんなところを取ってしまったからかどうか知らんが、 噂に聞いていた「社員動員」だか「無料入場」だかは本当だったのである。それを証拠に入場する人の群れの中で、律儀にチケット売り場に足を向けていたのは僕だけだったし、 集まった大半はおよそフットボールファンの趣とは程遠い人ばかりだった。 中には「猛虎必勝」などと大書きされた、決して柏レイソルのウルトラ連中のものではないはずの黄色と黒のハッピに身を包みジェット風船をフル装備したゴキゲンなおっさんもいた。

「さがーわ、おーさか!(どどんどどんどん)」

ファニーな応援を繰り返すこぢんまりしたイロモノ風の集団とばかり思っていた「関西飛脚なんとか」いう佐川大阪のサポーターは社員を吸い込み巨大化し、メインスタンドホーム側を占拠していた。 「×××!×××!」誰かがトラメガでなにやら盛んに煽り立てる。 やたらと打楽器の多いどどんぱ調の応援がエンドレス&ラウドネスにスタジアムに響き渡る。音割れも気にせずスタジアムDJががなっている。 この日のために用意したんじゃないかという、企業色たっぷりのチーム紹介VTRがこのスタジアムの売りである世界最大級のスクリーンに映し出され、ド派手に佐川大阪イレブンが紹介される(当然のように佐川東京はメンバー紹介すらなし) そんな調子で集まった観客は4,000人超。ハッキリ言ってやりすぎだ。 かもし出すその異様な雰囲気は中国とか中東の何か別のフットボールネーションのスタジアムを思わせる。行った事ないけど。 そうだ、きっとここは、日本じゃない、別の国だ。「アウェイ」なんだ。

さて、まったく身に覚えの無いシチュエーションで戦わなければならなくなった佐川東京。こんな状況でも粛々と勝ち点3を奪わなければならない。 ツライだろうが頑張ってほしい。メンバーはデンソー戦と同様。アウェイに相応の扱いか何か知らないが、アナウンスしやがらなかった(おっと失礼)ので 途中までわからなかったのだが、リザーブにはこのところ上り調子という中払伸吾がいた。今日は出番が無かったが、足技自慢の佐川東京にあっても随一のスキルを持っているこの選手、 僕的にはイチ押しである。

前半、社内的なしがらみ(?)も含め、どうしても先制点が欲しかったであろう佐川大阪。試合開始から15分程度はフラット3とまではいかないもののラインコントロールを旨とする3バックを強気に上げ続け、 前からプレッシャーを掛け、積極的にボールを奪いに来た。人呼んで「業務命令プレス」だ。このクソ暑いのにご苦労なこった。ワントップの位置で存在感を放ち続ける”ヨコチン”(いいのかこのニックネーム?)こと横山が流石の安定感でクサビ、ポストを確実にこなし、左右にはたくと 中野、中村といったアタッカー陣が早いタイミングでクロスを上げる。ピッチを横断するサイドチェンジをはじめミドルパスが正確に交わされる。なんだ、良いチームじゃないか。 右、左と振ってからのアーリークロスを裏に抜け出た横山がヘッド。間一髪右手一本で加藤が逃れたのは前半半ば頃。

佐川東京は、バックラインからのフィードを多用し、裏を狙う展開。前線では馬目が序盤から動きまわり、チャンスを作る。 井上からのクロスをヘッドで狙うシーンや、マサオからのラストパスで一対一になるシーンも有ったが、キーパー玉浦のセーブに遭う。 その他、津村のミドルがポストを叩いたり、米山の単独突破など、惜しいシーンはいくつも有ったが決めきれない。これが後々、尾を引いた。 枠内シュート数、決定機では佐川東京が上回っていた。

大阪は時間が経つと、プレッシャーをかける位置を下げていった。中盤がキッチリポジショニングで守る。両チームコンパクトに保たれた中盤でボールを奪い合い。裏を狙いあう。佐川東京にとっては、理想的な展開と思えた。点が入らなかった事以外は…。

ハーフタイム。スタジアムDJ氏が、ピッチに出てきてトークを繰り広げる。試合開始前に選手からスタンドに投げ入れられていたボールを運悪くキャッチしてしまった子供たちが、DJ氏の招きで哀れピッチに引っ張り出されてきた。世界最大級のモニターに映し出された子供たちの笑顔は心なしかどこかきまり悪そうだった。 さてDJ氏、たしかにしゃべり自体は大阪らしく歯切れ良いのだが、どーにも間が悪い。型どおりの質問を子供に投げかけたあと、満を持して聞いてはならないNG質問をしてしまった。

「キミは佐川大阪の選手で誰が好きかな!?(元気に)」

あーあ、聞いちゃった。いくら、昨今とみにフットボール全般に詳しくなってきている今時の子供であっても、それはあまりに酷なカルトQである。「レアル・マドリーで誰が好き?」と聞いているのとはワケが違う。 なんてったって佐川大阪だ。子供はますます決まり悪そうな顔になり、「はじめてで…」とぽつりと答えた。

「そっかー…初めて来たのかー」DJ氏はめげない。次の子供に質問をし始めた。(やめとけよ、それだけはやめとけよ…)お節介な僕の心配をよそに、 「キミは佐川大阪では誰が好きかな?」…またしても禁断の質問をしてしまった。お父さん(おそらく社員さん)に連れられてきたという男の子は、さらに決まり悪そうに「初めてで…」と、やはり 答えた。奥歯にモノが挟まったような空気が、スタジアムに流れ出す。「知らない」とは答えなかったあたり、子供なりの気遣いが垣間見える。次にお父さんに話を振る。おそらく前半でビールかチューハイをやっつけていたに違いない。お父さんはかなりゴキゲンそうだ。世界最大のヴィジョンに映し出される聖なるヨッパライ。…グダグダだ。

…ともあれ、後半、いよいよ攻勢に出る佐川東京。しかし、あと一歩、及ばない。10分か15分過ぎだったろうか、 唐突に、右サイドの裏に出されたボールをほとんど角度の無いところから横山が右足でドン。クラウンダーのボールは必死に戻ってきた、バックラインと殺到したFWとで混戦模様になったゴール前の誰だかの足に当たって転々と転がる。

これを更に横山が加藤と競り合いながらスライディングで押し込み、まさしく執念の先制。沸き立つ社員応援団。唖然とした。

佐川大阪は虎の子1点とばかりに、さっさとディフェンシブに切り替えてくる。「全員が」自陣に引き、佐川東京の攻撃を受け止める。横河武蔵野が、ジヤトコが、Hondaが、佐川東京に先制したチームはほとんどみんなそうしてきたように。 しかし、まだ時間は充分にある。望むところだとばかりに、竹谷を投入。津村がアウト。竹谷は前線に張り、さっそくバックヘッドを繰り出す。長居の制空権をほぼ掌握した。馬目が右のシャドーの位置に下がり、3トップの後方に山根が位置する。竹谷はサイドにも流れ、右45度の角度からキーパーの頭越しにシュートを狙うが、左にそれる。 だが、シュートを狙う姿勢は良し!だ。時岡コーチが、その意気だとばかりに手を叩き、檄を飛ばす。 前線にポイントが出来た佐川東京は、ほとんどハーフコートの状態で攻め立てる。右サイドから井上がマーカーを振り切って突破。PA内に少なくとも3Mは侵入したところで遂に引き倒され、ホイッスル。PKだ。…が、様子がおかしい。 あろうことか、レフェリーはペナルティエリアの外、というかライン上を指差し、FKを命じた。んなこたぁない!目の前でアップしていた控え選手が一斉に抗議する。見間違いではない。レフェリングを敗因には数えるつもりはないが、これもアウェイということか?

その後もCKからの竹谷のヘッド、熊谷のミドルなどがゴールを襲うが、ビッグセーブ連発というよりポジショニングの妙か?それとも単にシュートがイージーだったのか?とりあえず今日当たっていた玉浦と佐川大阪DF陣の必死の守備の前に、壁は崩れない。

刻一刻と時間が過ぎる。75分過ぎ、ついに嘉悦を投入。お願いです、やっちゃって下さい。公平が下がり、嘉悦は左ウイングに。米山は中央に入り、山根は右ワイドに。うーむ。このカタチ、実戦では初めてではないか? どうなることか?

嘉悦が左サイドでボールを持つと、佐川大阪のDFはその瞬間にスライディングをしかける。身体を張った守備で仕事をさせない。スルーパスを一本通したのと、竹谷の落としを何度か狙ったシーンは兆しが見えて良かったが、結果的に今日は不発。残念。

ロスタイムは4分。1-0なので、あきらめる状況ではなかったが、どうにも点が入る気がしない。スペースが無かったこともあるが、新布陣が機能したとは言いがたかった。そして、足も止まり…。4000人の観衆はぞくぞくと家路に就き始めていた。1-0なのに。

長いようで短いロスタイムが終わり、終了のホイッスルがひびく。まただ、また大阪にやられた。去年もそうだ。いい感じで来ていると、必ず邪魔をしてくる。

例のDJ氏が勝利監督インタビューと称して、佐川大阪の遠藤監督からコメントを取る。「今日の勝因は?」「沢山の”サポーター”の声援のおかげです…」

「よく言うよ…」心なしかやや棒読みに聞こえる社交辞令的コメントを聞き、舌打ちしつつとっととスタジアムを後にする。新大阪に着くと新幹線の発車までは3分しかなく、自業自得だが夜の駅で文字通りの「罰走」をくらわされるハメになった。散々だ。ツラく、惨めで、”ケッタイ”な遠征だった。大阪め。クソッ。(K)


さて、前回ホームで配布しました「大貫監督スペシャルロングインタビュー」おかげさまで大変好評を頂いています。

インタビューの終盤には、気になる衝撃発言も…。次回ホーム江戸川のYKK戦(8/9 18時〜)でも配布予定です。数に限りがありますので、欲しい方はお早めに…。




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