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tOkYo rAiDeRsによる観戦試合のメモです。次節のためにウソをつくこともありますのでご了承ください。


JFL 第19節  09/08/2003 18:00 K.O.

佐川急便東京SC 2-1 YKK FC

江戸川区陸上競技場  台風

佐川急便東京SC 3−4−2−1システム
     竹谷(馬目)
   山本 山根
米山 熊谷 津村(小幡)井上(田島)
  冨山 鈴木 伊藤
       加藤

人間は、どれほど極限の状態までフットボールが出来るのか?

「今日やるの?」この試合を巡って何度もされた質問に答えながら、きっとこれはフットボールの神(notズィッコ)が 佐川東京と、佐川東京にイカレた我々仔羊に与え給うた試練というか命題というか、多分そんな感じだろうと思った。大袈裟だが。

「今日やりますよ!」と事も無げに言ってのけた、メンバーのケータイ越しに聞こえた運営担当田中信孝氏のこころなしかハイトーンだったという、 その言葉は、あるいは神の啓示だったのか? (アマチュアなので逆に、おいそれとは中止にできない事情があるのだろう。そこは推して知るべし。 敢えて聞かない。)

「火事と喧嘩は…」ではないが、台風というとある種の”イベント”と捉える輩が必ずいる。まあ、僕なんだが。 嵐の中にたたずむスタジアムに到着したのは1時間半も前だった。首位攻防戦クラスでも平気な顔してギリギリに来る僕からすると、ベラボーに早い。 そして、当然のごとく誰もいない。 いつも、担当している運営スタッフの方が、呆れの要素が混じった笑顔で僕を見て「今日はまた早いっすねえ…」 「…いや、まあ、面白いかな?と思って」 …バカである。

おそるおそる、スタンドに入る。かつて、Jリーグの名門”浦和レッドダイヤモンズ”が”浦和レッドダイヤモンズ”になるときに ホームスタジアムの候補に上げていたという噂もあったスタジアム。その後東京ガスというチームが、何度も激戦を繰り広げた、都民のフットボールファン には馴染み深い筈のスタジアムは、今までに見たことの無い、そりゃもうなんだか大変な雰囲気になっていた。とにかく尋常じゃない強風と雨が常にスタンドに向かって真横に 吹き付けていた。立っているのも大変だ。スタジアムの周囲に植わってる樹木がとんでもなくしなっている。それでもつとめて平静を装うかのごとく、 BGMだけはちゃんと流れていた。毎回選手がかわるがわる選曲しているという噂だが、今日は何故か『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』だった。哀愁伴う歌声とメロディーが轟々と鳴り続ける嵐の音に 混じって、スタジアムに漂う浮世離れ感を一層強める。

そんな中でも試合は始まる。お互い蹴ったボールはロビングなら風に煽られ、明後日の方向に飛んでいったし、グラウンダーならピタッと止まった。 そのため、局面の攻防は無闇にスリリングになった。なにが起こるわからないピッチ状況では、なるべく自軍ゴール前に敵とボールを近づかせたくなかったのかもしれない。 両チームともに高い位置でとにかくボールを奪い、奪ったらポーンと前に送り続けた。前線から中盤から最後尾まで、裏を狙って出されるボールを追って、右往左往した。そして転んだ。 晴れの日にこんな試合やられたら、怒るだろう。しかし、なにしろ、嵐だ。

YKKのシステムは…、…まあ、いいや。システムもへったくれもない。が、前半のYKKが攻めるエリア即ち佐川東京の自陣、メインスタンド向かって左はあきらかに佐川東京が攻める逆のエリアに比べて マシなコンディションを保っていて、ボールもまともに転がるようだった。左サイドの黄学淳を中心にサイドの裏を狙い、早いタイミングでシュートを狙ってきた。 しかも、風向きは刻一刻と変わってはいたものの、前半は大体YKKの追い風であった。

この試合で特筆すべきは、佐川東京のディフェンスラインの奮闘ぶりだった。この難しい試合にあっても、安易に引いて守るということはせず、 果敢なカバーリングで悉くツブしていった。左のストッパーは今日の状況を考慮してか対人プレーに強い川村”ゴン”が先発。 3人ともスライディングで水しぶきを上げまくりながらの活躍ぶりだったが、中でも伊藤のプレイには鬼気迫るものを感じた。

ボールを奪うと早いタイミングでボールを前に送る。前線では今季初先発の竹谷が待ち構えてポストプレイに励む。 粘り強く、前線でポイントになり続けた。マサオはその後ろで足元にボールを納めてドリブルで仕掛けようとする。マサオはマサオ。それでいい。 山根は裏のスペースを狙ってパスを出しつつ、遠めからシュートも狙った。

ピッチと風雨の状況から、前半さえ0に抑えれば勝てる、そう思っていただけに不意に奪われたYKKの先制点は誤算だった。前半33分、右からのコーナーキック、 この悪状況下でも安定した仕事振りを見せていた加藤が唯一痛恨のパンチングミス。これを濱野に押し込まれた。

雨がやみ、風も少し弱まった後半、佐川東京が攻勢に出る。前半、ピッチコンディションにやや戸惑いを見せ、接触プレーに痛んでいた津村に替わって小幡を投入。 彼も故障明けだ。離脱前のシーズン序盤は好調だっただけに期待感が高まる。入るとすぐに豊富な運動量とスピードを活かした裏への走り込みを 繰り返し、一気に流れを引き寄せる。小幡は右のシャドーに入り、山根がボランチに下がった。

後半60分。竹谷に替わって馬目投入。68分。試合を振り出しにもどす同点弾は、コーナーキックの混戦から、小幡のシュートのこぼれ球を右足で押し込んでのモノ。 流石は仕事人だ。

わずか4分後。またしてもコーナーキックの場面。混戦になるとぬかるんだピッチに足をとられたかYKKのDF陣がバタバタと倒れる。そこに突っ込んできたのが、今日目覚しい働きを見せていた 伊藤琢矢だった。右足でドン。決勝点となった。

YKKはFW金丸を投入するなど追い上げにかかるが、この試合に関して言えば、1点を守りきれなかった時点で試合は決まっていたといっていい。 ロスタイムに長谷川の乾坤一擲のミドルがバーを叩きひやりとさせられたが、それ以外は危なげなく、嵐の終焉とともに試合も終わった。

さて、こんな試合でも勝ち点3を取れた。この嵐の勢いにのって、天皇杯予選、後期の残り試合で思う存分嵐を吹かせたい。月並みな表現だが…。(K)


東京Raiders制作による当日配布された東京レイダーズの「紙」はこちらからダウンロードできます。PDF化されていますので、Acrobat Reader等をお使いの上ご覧ください。




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