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JFL 第26節 26/10/2003 13:00 K.O. 佐川急便東京SC 0-0 栃木SC 鴨川市営陸上競技場 晴れ 佐川急便東京SC 3−4−2−1システム 一勝二分一敗。この試合を迎えるまでの佐川東京と、栃木の対戦成績である。ハッキリ言って苦戦している。 初対戦となった2001年のホームでの勝利以外は、死闘に次ぐ死闘であった。 やや風があるも、暖かな日差しの中の試合。このところのJFLや大学リーグでの使用で芝は疲弊していた。 前節Hondaにドローを演じるなど、上位陣の勝ち点を削りまくっている絶好調の栃木は、190cmの巨漢松永を頂点に据えた3−4−3の布陣。 左ウイングの位置に急成長を遂げている石川裕、前回対戦時には佐川東京のDFラインの裏を何度もついた佐野が右。嫌な感じの3枚だ。 立ち上がりは両チームともに、前線からのプレッシャーがよくかかり、ボールの奪い合いが繰り広げられる。 単純に中盤の守備と言っても、運動量と組織で早めにスペースをつぶしてくる栃木に対して、鋭い読みとスピードでボールを奪う佐川東京と、クッキリ対比を描く。 この見応えのある中盤の主導権争いの中で異彩を放ったのが中払伸吾であった。栃木の中盤がボールを保持しても、バイタルエリアの手前で何度もボールを奪い、素早く、そして正確に展開しピンチの芽をチャンスに変えた。 11分。栃木のホープ石川が負傷退場し、”ディエゴ”板橋in。このあたりから中払の動きもあいまってか、栃木はそれまでの左サイドの岸田を起点につないで崩そうという展開を捨て、引いてのロング一発で裏を狙う展開に切り替えてきた。 しかし、たかが一発狙いとは言え松永やスピードのある佐野めがけて飛んでくるのだからイヤではあった。これに対しての佐川東京の最終ラインの応対は、というとこれがまたほぼ完璧に近かった。 試合前、こんなシーンがあった。ピッチに姿を現した川村”ゴン”亮介に対してファンの一人が、「今日、むこうデカいのいるけど、大丈夫?」などと声をかけると、彼は「大丈夫です! …伊藤クンにまかせるから(笑)」 などと非常に呑気な返答をしていたようで、声を掛けたファンはその様子から、(きっと今日は完封するだろう)と何故か確信していたそうだ。 …まあ、それはともかく、本当によく守った。特に伊藤は読みと動き出しの速さで見事なカバーリングを披露。 果敢なスライディングタックルが何度も決まり、松永に対しても一歩も引かず空中戦でせり勝つシーンすらあった。セットプレイなどからヘッダーを放たれるシーンがいくつか有ったが、これも素早く身を寄せており充分な態勢では打たせなかった。 さて、オフェンスはどうかというと、トップはケガの笠木新ではなく竹谷が先発。だが、竹谷も膝の故障明けで充分ではないのが一目瞭然。それでも果敢に空中戦を制し、痛む足を物ともせず献身的なチェイシングを見せたが、ゴール前での決定的な仕事はほとんど 見られず。但し、前半終了間際に見せた、右からのアーリークロスをゴール前で落とし、後ろから走りこんできた山根が狙うという展開は惜しかった。その、山根も裏を取る動きをいくつか披露したが、パスを出すタイミングで栃木の中盤が常に上手く寄せて来ており彼を基点とした展開は 生まれなかった。マサオが足元でキープし、ドリブルでつっかけるも必ず複数で素早く応対され、なかなかチャンスが作れない。 0-0で前半終了。せめぎ合い、と言うにふさわしい展開であった。両チーム決定機は少なかったため、派手さには欠けるが、緊張感の切れない好試合であった。 その一因として。レフェリングの妙があった。接触プレイで倒れたりしても流れを重んじ無闇に笛を吹くことなく、試合をコントロールした。お陰でテンポを乱されたり興をそがれることがなかった。 但し、終盤、両チームに決定的なシーンで疑問の残る判定があったのもまた事実だった。 両チーム、クリーンかつミスの少ない丁寧なプレイに努めたことも要因であろう。 後半開始から佐川東京は本調子でない竹谷を下げ、馬目を投入。持ち前のオフザボールの動き、マークを外す動きで栃木の3バックを揺さぶる。前半にはあまり見られなかった楔からの展開も増え、攻勢を作り出す。栃木は繋いでの展開、松永のポストとパターンが潰されていくと、 佐川東京のDFラインを引っ張り出そうと言うことか遠目からのシュートを積極的に狙ってくる。が、枠を捉えることは少ない。前半から続く中盤の攻防は、55分から60分あたりで両チームともに運動量が少なくなり始め、スペースが空いてきた。前線と最終ラインとが間延びし始める佐川東京。 前半から中盤で効いていた中払はガス欠。68分に小幡と替わる。小幡は右のシャドーの位置に入り、山根がボランチに下がる。先制点が欲しい佐川東京。栃木も動く。70分、佐野に替わって佐川東京キラー黒須を投入。 攻勢を強める佐川東京。セットプレイからマサオの絶妙な縦パスがPA内にフリーで侵入した熊谷に。熊谷はこれを右足ダイレクトで狙うがシュートは枠の上に…。粘る栃木は72分にほとんど機能しなかった板橋をあきらめ、種倉を投入。 同じく左サイドに入りシュートを狙ってくる種倉。均衡が破れそうで、破れない。 あと一押し、もう一押しが欲しい残り10分。いよいよディフェンシブになる栃木に対して猛攻を仕掛ける佐川東京。小幡が得意の裏に抜ける動きで栃木DFラインを脅かすが、呆れるほど粘り強い栃木の3バックは寄せの速さキツさを維持し続け、決定機に至らない。 ロスタイム、左からのロングクロスに遂に抜け出した小幡が右足で狙うも、シュートは右にそれ、この熱戦はスコアレスドローでタイムアップとなった。 さてこの試合、緊張感溢れるつばぜり合いは、スコアレスでも面白いゲームがあるということを我々に再確認させてくれた。敵を褒めるのは好きじゃないが、栃木は前回対戦でめくるめく組織の攻撃を披露し我々を驚かせた。 そして、今回はアウェイらしい手堅い試合運びと心の折れない、切れないDF陣に舌を巻いた。JFLで最も着実に力をつけている。マークすべきチームである。一勝三分一敗。対戦成績は五分のままで変わらず、雌雄を決する事はできなかった。 惜しむべきは、この好勝負が、観衆わずか103人の鴨川で行われたということだろう。もしこれが西が丘だったら、と思わずにいられない。もしくは結果すら違ったものになっていたのではないか?と。 もったいない話だ。こういったコクのある試合を、23区内の会場で多く観たいと思う今日この頃だった。来年は、お願いします。(K) 東京Raiders制作による当日配布された東京レイダーズの「紙」はこちらからダウンロードできます。PDF化されていますので、Acrobat Reader等をお使いの上ご覧ください。 |