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tOkYo rAiDeRsによる観戦試合のメモです。次節のためにウソをつくこともありますのでご了承ください。


JFL 第27節  02/11/2003 13:00 K.O.

SC鳥取”ガイナーレ” 1-3 佐川急便東京SC

松江市営陸上競技場  快晴

佐川急便東京SC 3−4−2−1システム
     竹谷(馬目)
   山本(小幡)山根
米山 熊谷 中払 井上(冨山)
  川村 鈴木 伊藤
     佐野
<その他リザーブ>阪本、田中

『アーセナルはリーズを4-1で撃破し首位…』

松江駅から会場に向かう路線バス車内に設置されていた電光掲示板のニュースで、前日のプレミアシップの結果を知った。ほんの数年前では考えられなかった事かも知れない。

ただし、それを見て感心しているのは僕だけで、他の乗客と言えばそれらしい客は皆無で、ただ熱心に旅行案内に目を落としている初老の男性ひとりだけであった。お世辞にも舗装状況が良いとは言えない市道を往く車内は20分強もの間、震度2〜3レベルのバイブレーションを維持しており、いい加減辟易した。松江までの列車では車窓から美しい紅葉の風景が見られてなかなか快適な旅だったのだが…。「アウェイの洗礼」という言葉がふと頭をよぎった。 正直なところ、このまま会場にたどり着けるのかどうかさえも少し怪しくなってきたところだったので、電光掲示板の一行ニュースに思いがけずフットボールを感じ何故だかほんの少し安心した。

最寄の停留所で降りると、平凡な住宅街であった。スタジアムは?フットボールはどこだ?適当に足を進めると静かな住宅街の彼方からいかにもな感じのBGMがかすかに聞こえてきた。音を頼りに歩みを進めること20分強。公園の中に漸くスタジアムが姿を現した。 入り口付近は地元のファンが詰め掛け賑やかであった。チケットを購入して中に入る。SC鳥取御自慢の水木しげる先生デザインによるチケットには漫画『ゲゲゲの鬼太郎』のキャラクター・妖怪ねこ娘があしらわれていた。チケットの中のねこ娘はSC鳥取仕様らしくライトグリーンのユニフォームをまとい、おそらくゴールを決めた後という事なのだろう、ボールを抱えてガッツポーズを決めていた。ポーズはベタだがスパイクは赤だった。流行を追っている(たぶん無意識)。まるでベッカム、もしくは小幡正だ。

ちょっとくだけた感じのマッチデイを受け取り、前時代的なフェイスペインティングサービスをスルーしてスタンドに入る。このアクセスで意外といっては失礼だがなかなかの盛況振り(763人)であった。JFLの地方チームにありがちなやや押し付けがましいスタジアムDJのアナウンスが盛んに応援を煽る。 独特な雰囲気の中、試合開始。

立ち上がり、PA手前右45度から山根がファーストシュートとなるミドルを放つと、これを口火に両チームともにシュートシーンの多い派手なゲームの幕開けとなった。鳥取は中盤ダブルボランチのオーソドックスな4-4-2。気候は暖か、というよりやや暑い。ピッチコンディションは劣悪。芝が酷い、というより芝が無い。今季目にした中ではぶっちぎりのワーストだ。

序盤は佐川東京がボールポゼッションで優位に立つ。ピッチコンディションからか、中盤であまり時間をかけず、早いタイミングで縦パスを供給する。前節に続いてトップに入った竹谷は荒れたピッチと鳥取DF陣の早い寄せに苦慮しながらも、 積極的なプレーで前線のポイントになり続けた。僕の周囲に座っていた子供たちは殊勝にも鳥取のホームゲームを何度か観に来ているらしい。「こないだは負けたけど、今日は勝つかなあ…」この時点ではおらが町のチームに淡い期待を寄せている。

5分。中払のパスをDF2人に寄せられながら竹谷がポスト、これを山根がダイレクトで右サイドの裏のスペースにスルーパス、公平が抜けてクロス。と良いカタチを見せる。

8分。このあたりからニュートラルな視点の持ち主である周りの子供たちの興味が佐川東京に傾き始める。「あの18番うめえ!」「シュンスケみてえ!(右足だったが)」中払の柔らかなボールタッチに歓声が上がる。「サガワキュービンの選手は配達しながらサッカーやってるんだぜ」と訳知り顔で解説する子供。なかなか詳しい。遠征先の子供が味方につけば勝ち、というジンクス(?)がある。イケそうだ。

9分。左45度の位置からマサオが放った低いクロスにファーサイドで竹谷が裏に抜け出して右足強シュートを放つも、普段は地元の病院でお年寄り向けにデイケアサービスに勤めているGK元田(鳥取のマッチデーより)のビッグセーブに遭い得点ならず。さっき訳知り顔だった子供が「俺、サガワ応援する!」と高らかに宣言。もらったな(笑)。

10分過ぎ。鳥取のファウルが汚い、稚拙。だが、最終ラインは高い位置を保ちコンパクトな中盤のプレッシャーはそこそこ効き始める。前回対戦時とは見違えるような能動的にボールを奪いに来ようとする姿勢が徐々に試合の流れを鳥取のものにし始める。

15分。鳥取の山根から相手左サイドの裏のスペースにスルーパスを通される。これにボランチの堀が反応。左足でシュートを放つも、佐野がビッグセーブ。このあたりから、佐川東京のDFラインと中盤の間で連携ミス、パスミスがちらほら出始め、鳥取の時間帯となる。 鳥取は、山根を基点にして早めにサイドにはたく展開多し。右サイドのアタッカー小林が愚直にターゲットマンである北朝鮮代表の河を狙ってクロスを入れるというパターンを繰り返すも、この試合を通じて鳥取のクロスは精度が非常に低く、助かった。

19分。左サイドでボールを受けた河がプルダウンクロスを入れると、PA内中央フリーで待ち構えていた山根が右足ボレーシュート。これをまたしても佐野がジャンプ一番右手一本で防ぐ。周囲の子供たちから「すげー」と歓声が上がる。その中には残念そうな声もあり、地元チーム捨てきれずといった感じか。

再三にわたる佐野のビッグセーブで流れを引き戻したか。20分を過ぎたあたりから佐川東京は再び息を吹き返す。鳥取の中盤のスペースが空き始めると、山根の裏を狙う動き、マサオのドリブルがボディーブローのように効き始め鳥取のDFラインが 徐々にほころんでくる。29分。左サイドに流れてDFを背にしながらボールを受けた竹谷が同じく左サイドでフリーの米山にバックパス。米山はDFの間を縫うような鋭いグラウンダー気味のクロスを入れるとPA内ニアサイドにいた中払が小洒落たスルーをかまし、ファーに走りこんできた山根がダイレクトで狙うも、 またしても元田(愛称モットン。from鳥取のマッチデー)が素晴らしいタイミングで前に出て得点には至らず。流石はお年寄りに人気の男、モットン。だが、このプレーによる右CKからファーサイドで競り勝った伊藤のヘッダーが決まり、佐川東京先制。

30分過ぎには、マサオがミドルを狙う。鳥取もやはりサイドからの攻撃に活路を見出そうとする。

42分、PA内でマサオが相手DFの股を抜く横パスを繰り出し、中払が狙うもまたしてもモットンが好セーブ。終了間際には、右サイドをオーバーラップしてきた荻野のプルダウンクロスを松山がボレーで狙うもこれはバーの上。前半終了。

ハーフタイム。プレゼント抽選会。内容は日本代表カレンダーに、日本代表選手フィギュア…。他人の褌で相撲を取ってると言うなかれ、これはこれでクレバーだ。事実それまでダウナー気味だった周囲の子供たちが「日本代表」というフレーズに反応して一気にヒートアップ。当たってないのに当たってると言い張る子供。筆記用具を出して番号を書き換えようとする子供。タチが悪い。(苦笑)

試合開始直前、抽選会のホスト役を務めたDJがマイクを持ってスタンドに上がってきて、ホーム側に陣取るサポーターに向かって当然のごとく「(爽やかに)SC鳥取コールお願いします!」呼応する鳥取のサポーター。いつもの事なのか?僕にとっては新鮮な光景だ。大車輪の働きぶりのDJ氏は、スタンド中央の観客にマイクを向け「さあ、SC鳥取コールを!」と応援を勧奨。 うーむ。小さな子供がマイクを通して絶叫する「えすしーとっとり!」コールに、控え室からピッチに出てきた佐川東京のリザーブ陣が気付いてスタンドを一瞥し苦笑いを見せていた。

そんなこんなで(?)後半開始。両チームが動く。佐川東京は井上を下げ、冨山を投入、鳥取の愚直なまでのサイド攻撃に考慮した交代と言えるが、4バックへのシステム変更と言うより、そのままワイドの位置でのプレイが主に。回数は多くなかったが攻撃参加も見せ、 絞り込んでのシュートという場面もあった。話は前後するが、タテに強い江後とのマッチアップということでカタチを作られる部分多々あったが、伊藤とのコンビで最小限に食い止めていたと感じる。好感触ではなかろうか。 後に正式にわかったことだが、久保寺に続いて田島宏晃も退団したことで急激に手薄になった右ワイドのバックアッパーとしてのテスト的な要因もあったのかもしれない。

鳥取は、小林に代わって右のオフェンシブに実信を投入。後半はボールポゼッション的にもイーブンな立ち上がり。が、時間の経過とともに鳥取のDFラインと中盤にもミスが出始める。 50分。連携の乱れをついて、鳥取陣内中央でマサオがインターセプト。そのままドリブルで二人ぶち抜いてミドル。が、これはモットンがセービング。その直後のプレーでは、中払のスルーパスにPA内左斜めに抜け出したマサオが中央に折り返し竹谷がフィニッシュを狙うも鳥取DF陣に阻まれる。

佐川東京の攻勢を前に、ここで鳥取は奇策に打って出る。左のオフェンシブの松山を下げ点取り屋のはずのFW江後を同じ位置に投入。スピードのある江後は左の裏のスペースを狙ってチャンスを作ろうとする。ホームで意地を見せたい鳥取。早速、河がポストから左サイドの江後にはたく。江後は伊藤との勝負ではなく、 オーバーラップを狙ってきた山崎邦にスイッチ。山崎邦はクロスを上げるもこれは大はずれ。イイ形だったのに残念でした。

さらには55分。中央に絞り込んでいた実信が斜めに出したスルーパスに江後が伊藤に付かれながらもシュート。が、これは佐野の正面。

佐川東京は今日ある程度手応えをつかんだように見えた竹谷をお役御免、で馬目投入。左サイドでのチャンスメイクとは裏腹に間延びし始めてきた鳥取の中盤のスペースをかき回す。

60分。動きの鈍り始めた鳥取の中盤をあざ笑うように、山根がまたぎフェイントを一発入れ翻弄してみせたあと、ドリブルで2人を振り切りPA手前からシュートも枠は捉えず。 69分。鳥取は河を引っ込め、かつて駒沢でハイパーミドルを取り消された男・雨野を投入。77分。自陣深くで得たFKから鈴木俊が上げたロビングをゴール前に侵入した馬目がヘッドであっさり追加点をゲット。 呆気に取られる鳥取イレブン&観客。気の毒だがこれも佐川東京の得意のカタチだ。

87分。攻撃の手を緩めない佐川東京。右サイドでスローインからのボールを受けた馬目が、山崎邦のマークを振り切ってタッチライン際を疾走。そのままPA内に切り込むと、走りこんできた小幡にパスそしてリターンを受ける。心が折れたか?すっかり足が止まってボールウォッチャーとなっているDF陣を尻目にドリブル でさらに中央に切り込んで左足を振りぬく。低い弾道がゴールに決まって0-3。スタンドからはため息が漏れる。笑いながら大声で「あーあ」と連呼する周囲の子供。タチが悪い。(苦笑)

ホームの観衆の前で意地を見せたい鳥取。ロスタイムには山根がワンツーで中央突破に成功。これを伊藤がPA内でチャージするもファウルを取られPK。山根は自ら左隅に決め763人の観衆の溜飲を少しだけ下げるとそのままタイムアップ。終わってみれば1-3と数字的には特に驚きのないスコアで幕を閉じた。が、内容的にはそれなりに競っていた。

鳥取は、後半集中力を切らせるあたりは相変わらずだったが、意図のあるオフェンシブなフットボールはこれまで見せた中では格段の進歩を見せており、今後を考えると充分要注意と言えるものだった。 さて、佐川東京だが、劣悪なピッチも含めてアウェイの雰囲気の中で安定した試合運びで勝ち点3をゲットしたあたり評価に値する。終了間際に失点する悪い癖はいただけないが、今季2度目の出場となった佐野は抜群の安定感とフィードで存在感をアピールした。竹谷、中払、山根がそれぞれ良い動きを見せ、今後に期待を持たせる松江遠征であった。(K)




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