佐川急便株式会社東京SCの試合日程と結果などの記録 佐川東京SCのスタッフ、選手などについて tOkYo rAiDeRs関係者の連絡などに使用する掲示板です。 いらしてくれた方に開放されている掲示板です。お知らせなどもこちらに投稿されます。 応援コールなどについて 他サイトのリンク集です。 Back_to_top_page
tOkYo rAiDeRsによる観戦試合のメモです。次節のためにウソをつくこともありますのでご了承ください。


JFL 第29節  16/11/2003 13:00 K.O.

ジヤトコFC 3-2 佐川急便東京SC

愛鷹広域公園多目的競技場  晴・強風

佐川急便東京SC 3−4−2−1システム
         竹谷
        山本 山根
米山(嘉悦)熊谷 中払 井上(馬目)
     川村 鈴木 伊藤
         加藤
<その他リザーブ>佐野、冨山、田中

11月16日、正午近く、愛鷹。

忘れもしない昨年、馬目の奇跡的なヘッダーで優勝争いに望みを繋げる勝利を得た激戦の地は、ジヤトコFC最後のホームゲームの舞台としてその刻を迎えようとしていた。 ナイトゲームだった昨年は、夏場ながらひんやりと涼しく、霞がかかった周辺の雰囲気とともに敵地ながらいたく気に入ったものであった。とは言え、勝っていなければ全く別の印象を残していたかもしれないが…。

ピッチの上では、OB戦と称して紅白戦が繰り広げられており、かつての社員選手たちが往時を思わせる好プレイとズッコケプレイを披露していた。ピッチとスタンドからは歓声や笑い声が溢れ、ジヤトコのウルトラは律儀にコールやチャントを投げかけ盛り上げを試みる。 そこには、悲壮感や哀愁とは無縁の、長閑で平和的な秋の午後の光景があるばかりだった。風が強くなり、雲が流れていた。

KOが近づくにつれて、傾斜のある立派なメインスタンドには人が増え始めてきた。今も昔もキャリア自慢のプレイヤーを揃え、Jを目指すチームともしのぎを削り続けた東海の雄、ジヤトコの最後を見届けようと集まったフットボールファンは実に964名。 この数字を多いと見るか少ないと見るかはここで語るべきことではないだろう。確かなのは、このほとんどが、ジヤトコのホーム最後のプレイひとつひとつに真摯に声援を送り続けていたという事だ。ジヤトコがらみの試合をいくつか観て来たが、当然ながらそれは最も熱のこもったものであった。

さて、すっかり敵役の雰囲気すら漂っていた佐川東京。シーズン前、終盤にこのカードが組まれている事を知った時から、たしかに嫌な予感はしていた。だが、それがまさかこんなシチュエーションで現実になるとは、夢にも思わなかった。冷静に考えれば、こんな場面に、 しかも敵方として立ちあえるというのはむしろとてもオイシイ事なのかもしれない、フットボール的には。だが、そんな悠長な感傷に浸っている場合ではなかった。佐川東京の現在の順位は目標である「2位以内」を大きく下回る4位…。勝ち点1差で3位だった愛媛が前日のゲームで鳥取相手にドローを演じていた為、 勝てば3位という状況。(まさか愛媛FCの試合結果に一喜一憂する事になるというのも、また思いもよらないことだったが…。)しかもジヤトコとの通算対戦成績は1勝2敗1分と現時点で負け越している。ここで勝ってやっとイーブンだ。勝てなければ永遠に負け越したままで終わる事になる。そんな事はあってはならない。こっちにだって事情がある。空気を読んでる暇などない。叩きのめせ!

…などと、ひそかに気合を入れていた一ファンの心理を知ってか知らずか、試合は予想外の展開をみせる。

序盤、先にペースを握ったのはジヤトコだった。佐川東京の中盤がポゼッションで優位に立とうとするところを、ジヤトコはボランチの位置からポジショニングとプレッシャーで的確にボールを奪い、素早くシンプルに前線めがけてボールを送るというリアルな展開を狙ってくる。とにかく勝ちたい、という強い意思がピッチから立ち上るようだ。追い風に乗って、関根秀輝が巧みなポストプレイを披露し起点となる。 これは…、と思った前半8分。先制点はその関根秀の右足から生まれた。やはり中盤で奪われたボールは、縦一本で前に張っていた関根秀の足元へ。押し上げを試みる3バックと前に出ていた加藤の位置を見定めた関根秀は冷静にその頭上を縦断する緩やかな放物線を放った。あまりにもあざやかにジヤトコ先制。敵ながらゴラッソだ。大歓声に包まれる、聖地愛鷹。

ジヤトコは、一点をこれ幸いとますます守備の意識を高め、前線にはほとんど殊勲の関根秀とヴェテラン新村のみを残すような感じでカウンター狙いの戦いを仕掛けてきた。佐川東京は、強い向かい風に苦慮し、なかなかロングボールやサイドからのクロスを使った攻撃が繰り出せなかった上に、起点となるべき熊谷と中払のボランチの位置からのパスの出所をディフェンシブなジヤトコの中盤に押さえられ、有効な展開が生まれにくい状況に陥っていた。 前半のしばらくの時間帯は、ジヤトコの出足の良い中盤の守備と、鋭い速攻に苦戦した。何度かあったCKに紙一重のピンチが訪れる。

ジヤトコのカウンターをしのぎ、中払からピッチをワイドに使う【←(C)松本育男】展開のパスが出て、山根、マサオらがサイドをえぐり始め流れをつかむ。前半最後のあたりは波状攻撃に次ぐ波状攻撃で、後は点が入るのを待つばかりといった雰囲気すらあった。

さあ、これからという出鼻を挫かれた形になったのは、後半開始直後の48分。右からのロングクロスからゴール前は混戦となり、決めたのは佐川東京との過去4戦で4ゴールも決めてやがる…おっと失礼、河合であった。そのわずか2分後にはCKから小田切にジャンプ一番綺麗にヘッドで決められ、電光石火、50分でなんと3-0になってしまった。

まさか、このままでは終われない佐川東京。55分には井上に替わって馬目を投入。馬目は交代早々裏への飛び出しで決定機をつかみシュートを決めたかに思われたが、無常にもオフサイド。流れを引き寄せる。さらに米山に替わって嘉悦を投入、ほぼハーフコートで総攻撃に入る。嘉悦は当初左のワイドの位置でドリブル突破を狙い、時間が経つと山根とポジションチェンジし、 竹谷、馬目、マサオの3トップの直下に入る。山根は左のワイドに。嘉悦が中盤でタメを作り、山根が左ワイドで鋭いドリブル突破から最終ラインと”ミラクル”沖田の間にクロスを入れるパターンから決定機が出来る。分山根のクロスを中央で待ち構えていた竹谷が頭で落とすとそこに走りこんできたのは、馬目。左足ダイレクトでゲット。3-1。

猛攻は続く。山根が股抜き、マサオがヒールリフトをかまし、愛鷹のメインスタンドからは悲鳴が上がるも、沖田が最後の一線は超えさせまいと必死のセービングを見せ続ける。が、遂に83分には馬目のシュートを沖田が辛うじてパンチングで防いだこぼれ球を山根が詰めて、3-2。

それ、行け!ホーム最後の試合で愛鷹のフットボールファンの肝を冷やさせるというのも悪くない。もう1点。否、2点。自陣でタッチを割ったボールを自ら拾ってスローインしたのはなんと熱きゴールキーパー、加藤竜二だった。伊藤琢矢も川村亮介も敵陣内で攻撃に専念し続ける。 最早自陣の中にしかFPがいないジヤトコはサンドバックのように打たれ続けていたが、不思議なもので序盤は危うげだったDFラインも終盤には鉄壁となっており、これ以上の付け入る隙はなかった。前半は電光掲示板にも表示されていたはずのロスタイムは、何故か後半には表示されなかったようだった。 試合終了。歓声が再びスタジアムを包む。

予想以上にジヤトコが守備的ではあったが、まぎれもないガチ試合であり熱戦であった。負けた事は悔しいが、シチュエーションも込みで致し方ないというところか。嘉悦を投入してからの新しいバリエーションを見せた終盤の攻勢は良し、だが相手の速攻、セットプレイなどのワンチャンスで悉く安易に失点するのは勘弁してほしい。マジで。

激戦の余韻覚めやらぬ愛鷹のピッチではホーム最後のセレモニーが行われていた。所属選手一人一人に花束が贈呈される。泣いている選手もいるようだった。試合中まではむしろ無感情にも聞こえるトーンで淡々と職務をこなしているようだった女性のスタジアムアナウンスは、所属選手を呼んでいるうちに、徐々にではあるが明らかに涙で声がくぐもっていくのがわかった。 寂しい光景だった。クラブが最期を迎えるというのは、こういうことなのか?僕自身は、ジヤトコがこのような結末を迎えた事に関して、いち敵チームのいちファンとして、是非を論じる立場にはない。気の毒だとは思うが、それでも倒すべき相手のひとつでしかないと思っていた。いや、むしろ、対戦成績で負け越しているという事などから、他チーム以上の対抗意識すらあったかもしれない。にも関わらず、知らず知らずのうちに目の前の光景をしっかりと焼き付けようとしていた。

セレモニーは進み、新村泰彦が訥々とした口調ながらも、しっかりと「ジヤトコFCに替わる静岡県東部を拠点とした新クラブ立ち上げ活動の発足」を宣言した。喝采と歓声が上がり、しんみりとしていた会場がまた明るい雰囲気になってきたのを横目に、スタジアムを後にした。試合中はイヤになるほど吹き荒れていた風はいつしか止み、ジヤトコのファンや選手たちの表情はいずれも笑顔だった。

11月16日、午後3時をだいぶ過ぎた頃、愛鷹。

そこはまた穏やかな秋の午後に戻っていた。 その光景は、少なくとも僕の目にはハッピーエンドに映った。1勝3敗1分。借りを返す機会は、二度とないのかもしれないし、もしかしたら、そう遠くない未来にあるのかもしれない。ともあれ、佐川東京とジヤトコの戦いはこれをもって幕を閉じた。

さらば、ジヤトコ! また再びあいまみえるその日まで。(K)




佐川急便株式会社東京SCの試合日程と結果などの記録 佐川東京SCのスタッフ、選手などについて tOkYo rAiDeRsによる観戦試合のメモです。次節のためにウソをつくこともありますのでご了承ください。 tOkYo rAiDeRs関係者の連絡などに使用する掲示板です。 いらしてくれた方に開放されている掲示板です。お知らせなどもこちらに投稿されます。 応援コールなどについて 他サイトのリンク集です。