佐川急便株式会社東京SCの試合日程と結果などの記録 佐川東京SCのスタッフ、選手などについて tOkYo rAiDeRs関係者の連絡などに使用する掲示板です。 いらしてくれた方に開放されている掲示板です。お知らせなどもこちらに投稿されます。 応援コールなどについて 他サイトのリンク集です。 Back_to_top_page
tOkYo rAiDeRsによる観戦試合のメモです。次節のためにウソをつくこともありますのでご了承ください。


第82回天皇杯サッカー全日本選手権三回戦
14/12/2003 13:00 K.O.

ジュビロ磐田 2-0 佐川急便東京SC

ヤマハスタジアム  快晴

佐川急便東京SC 変則5−2−2−1システム
        竹谷(馬目)
      山本 小幡(嘉悦)
      熊谷 山根
冨山 川村 鈴木 伊藤 中澤(米山)
         加藤
<その他リザーブ>佐野、中払

ジュビロ磐田 3−4−1−2システム
   前田(チャゴ)西野(中山)
     名波
西  服部 河村 川口(太田)
  山西 田中 鈴木
       佐藤
<その他リザーブ>山本、上本

ジュビロ磐田。かつて、10万人の大観衆擁する超アウェイ・テヘランのアザディスタジアムで、アジアチャンピオンを奪取した経歴を持つ。 今季のJリーグ覇者の座こそ横浜Fマリノスに譲りはしたものの、名実ともに日本最強のクラブチームである。

史上最大の敵を前に、必勝を期して臨んだ佐川東京。激戦の末、勝利したルミノッソ戦から大きくメンバーを変更した。 ジュビロと対等に試合をする上で、極めてフットボール的なセオリーに則りディフェンシブな布陣を選択したのである。

J屈指の攻撃力を誇るジュビロ両翼のサイドワインダーに対して、右に中澤友秀を配置し西紀寛に、左には冨山卓也を配置し川口信男と、それぞれマッチアップさせサイドのスペースを封鎖にかかった。 頂点には前線のターゲットとして、竹谷英之を据えた。竹谷に当てたボールをスピードのある小幡正、かつてジュビロに在籍した山本正男が狙い、相手の浅いラインの裏を衝こうという意図である。

この試合が天皇杯緒戦となるジュビロは、グラウ、ジブコヴィッチの両外国人と、中盤の要福西嵩史を故障で欠く布陣。エース中山雅史はベンチスタートであった。

さて、実際の試合において、上記のような「格上と伍していくプロセス」は、大貫監督の意図通り途中まで順調に進んでいたということで間違いなかろう。序盤から、佐川東京はジュビロと戦ったほとんどの相手チームがそうであったように、 中盤のポールポゼッションにおいて劣勢にたち、否、あえて中盤を明け渡し、好機を待った。中央の鈴木俊に率いられ、屈強なストッパータイプのDFがずらり最後尾に並び、ジュビロのアタックを待ち受ける 光景はある意味壮観であった。前半を無失点で抑えれば、勝機は必ずある。選手もファンも、同じ気持ちだったに違いない。ゲームは意図通りの推移を見せた。そう、途中までは。

大方の予想通り、ジュビロは立ち上がりから猛攻を仕掛けてきた。が、それは、我々のよく知っている、あの、ジュビロの美しい流れるような攻撃とは程遠いものであった。この日、ジュビロのツートップを組んだ前田と西野には およそ連携は皆無で、特に前田に至っては足元のボールをいたずらにこね、強引に単独突破のみを狙っているようにしか見えなかった。甘く見てもらっては困る。一対一でもおいそれと自由にはさせないDF陣のポテンシャルである。 後ろにスペースを作らず、ゆとりをもって応対した佐川東京の最終ラインの前に前田は沈黙した。むしろ怖いのは高さのある西野であった。足元に入るボールはほとんど怖くなかった。空中戦ではいくつか競り負けヘッダーをくらう 場面があった。だが、なんとかDFが身体を寄せ、鬼気迫る集中力を見せ続けたGK加藤が抑えた。

ひとくちに「守備的」と言っても単に失点に脅えていたというわけではない。裏を返せば、それは攻め手のジュビロに対しては、自陣に広大なスペースを空けるリスクを負わせる事を意味し、機をうかがう佐川東京にとっては シンプルな速攻で得点を奪うチャンスがすぐ近くにある事を意味していた。佐川東京の前の3枚は、常に裏のスペースをさぐり動き続け、チェイシングを繰り返した。ギリギリのせめぎあいの中、竹谷が抜け出しかけるが、惜しくもオフサイド。 竹谷の頭で落としたボールを小幡が狙って飛び出し、ゴール前に肉薄する。マサオが2人、3人とついたマーカーを振り切るようにしてドリブルで勝負!ジュビロサポーターが危機にどよめくシーンは決して少なくなかった。

ふと気がつくと、時計は30分を過ぎていた。ジュビロの優位は変わらないが、波状攻撃を粘り強く弾き返し続け、抜け目なくカウンターを狙い続ける展開が続く。あと、15分。こらえられるか。 さて、この試合のテーマとなった「サイドの守り」であったが、中澤、冨山は与えられた任務を充分に果たしていた。それを証拠に西は前半ほとんど仕事をできず、川口は爆発的なスピードで冨山とのマッチアップを何度か制し、佐川東京の左サイドを抉って クロスを供給するシーンがあった。だが、時間が経つにつれて必死の応対を見せた冨山に対して抉る事を良しとせず、自らフィニッシュを狙ってか中央に絞り込む選択をするようになってきていた。ツートップのうち前田は全く機能しておらず、スルーパス、楔で中央を破られる危険性が少なく、 サイドから絞られても人数の揃った最終ラインの前にシュートコースは少なかった。西野のアタマは相変わらず脅威だったが抉られさえしなければ、ゴールに向かってくるクロスなら対処できる筈…。

西が丘同様、スタンドからピッチまでの距離が近いヤマハスタジアムでは、選手の表情が良く見える。選手の声もぶつかり合う音も良く聞こえる。強引に突破にかかって阻まれる西、シビれを切らしたようにPA内に侵入しミドルを放つ名波…、苦渋の表情が、獲物を仕留められない強者の焦燥と苛立ちを物語っていた。 「大丈夫だ!いけるぞ!」「もう少しだ、集中しよう!」選手か?ファンか?分からないがそんな声がピッチを飛び交う。「なあに、高さで言えば西野より松永(栃木SC)だろ?林(大塚製薬)や古橋(Honda FC)に比べたら前田なんて大した事ねぇじゃん!イケる、イケる!」アウェイゴール裏に陣取る口さがない佐川東京ファンの誰かがこんなことを言う。ゴールマウスに立ちはだかる加藤は、 困ったような表情を見せるジュビロのアタッカー陣とは対照的に、闘志のこもった実にいい表情をしていた。35分。40分…。時計は進む。イケるぞ。

フットボールは、時として我々に現実というものを教えてくれる。イケると思ったその矢先。サイドを抉る事をやめていた川口から、唐突な浮き球のパスがゴール前に入れられたのは前半終了間際の43分であった。ゴール前の西野が完全にフリーになっていたのはこの瞬間だけだったかもしれない。ヘッドで叩き込まれ、遂に失点。加藤がピッチを叩いて悔しがる。1-0。 前半終了間際、冨山が鬱憤を晴らすように力一杯の右足ミドルを放つも、ボールはジュビロGK佐藤の手の中にスッポリと納まった。

失点はしたが、一点差。後半は攻撃に転じる佐川東京。中盤のボールポゼッションは、相変わらずジュビロの優位であったが、なんとか穴を見つけ出したい。51分。竹谷out馬目in。小幡out嘉悦in。トップの馬目はいつもと変わりないハツラツとしたオフザボールの動きでジュビロ最終ラインの裏を狙ってピッチを駆け巡る。 鈴木秀人、田中誠あたりにも対等に渡り合った。漸く中盤を支配し、佐川東京の時間帯ができる。だが、ゴールまでが遠い。皮肉なものだ。攻勢に転じた後半の方がジュビロのゴール前に迫るシーンは少なくなっていた。

と、いうのも、この日のジュビロのセンターライン、服部と田中がカバーリング、ライン統率において素晴らしい働きを見せていたのである。 中盤で良いカタチでキープし、決定的なパスを出そうとしようものならば、次の瞬間には服部が必ず危険を察知し身体を寄せて芽を摘んでしまっていた。ジュビロの3バックを統率する田中は、前半とうってかわって後半中ごろのこの時間帯は、ある程度佐川東京の攻撃を敢えて受け止めようとしているようにすら見えた。そして奪ったボールは素早く繋ぎ、中盤をスクエアに保ち続けた。 この判断の早さ、的確さ。試合運びの巧みさ…。深淵を垣間見た気がした。結局、佐川東京の後半の枠内シュート数は「0」に終わった。

62分。鳴りを潜めていた西に左45度からの地を這うミドルを決められる。致命的な2-0。佐川東京は中澤に替えて米山を投入。米山は右サイドから気合のこもったドリブルで仕掛け、なんとか突破口を開こうとするが決定機には及ばない。70分を経過したあたりから、佐川東京イレブンの運動量が落ち始め、完全にジュビロにボールを支配されてしまう。 前半には見られなかったジュビロならではのパス回しの前に、幾度となくピンチを迎える。ジュビロは、前線にチャゴ、右サイドに太田、さらには中山を投入、 トドメを刺しに来る。実に腹が立つほど完璧な試合運びである。

ここに敢然と立ちはだかったのは加藤であった。中山を中心に次々と迫ってくるジュビロの波状攻撃を全て防いだ。枠内に飛んでくる決定的なシュートの前にビッグセーブを連発した。見ていて胸が熱くなった。ジュビロのサポーターを擁するホーム側のゴール前で仁王立ちしていた。正直、もう、試合は決まりかけていた。男の意地を感じた。 川村、伊藤、鈴木、いつものスリーバックも最後まで身体を張った守備を見せ続けた。

試合は、このままタイムアップを迎えた。佐川東京の大勝負はこれといった波乱もなく幕を閉じた。試合中、何度もドリブル勝負を挑み続けた山本正男は、かつての同僚たちと握手を交わしていた。悔しそうだった。加藤は、中山と何か言葉を交わし合っていた。

2-0というスコアは、ごく普通の平凡なスコアに見える。だが、彼我の間には歴然とした差が横たわっていることを肌で感じさせられた。公式戦の場でこれほどの実力差を明らかにしたのは、佐川東京にとって初めての経験であろう。ただ、決して恥ずかしい戦いぶりではなかった。胸を張っていい試合だったと思う。それでも、個人的には、「よくやった」などと安易に言うつもりはない。 なぜなら、このチームの力をもってすれば、これ以上の結果を残す事は充分出来るはずだ、と信じているからである。僕は、ただ、悔しかった。この敗戦の向こうにある地平を、佐川東京はどのように切り開いていくのか。

2003年の佐川東京のシーズンは、こうして終了した。(K)




佐川急便株式会社東京SCの試合日程と結果などの記録 佐川東京SCのスタッフ、選手などについて tOkYo rAiDeRsによる観戦試合のメモです。次節のためにウソをつくこともありますのでご了承ください。 tOkYo rAiDeRs関係者の連絡などに使用する掲示板です。 いらしてくれた方に開放されている掲示板です。お知らせなどもこちらに投稿されます。 応援コールなどについて 他サイトのリンク集です。