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tOkYo rAiDeRsによる観戦試合のメモです。次節のためにウソをつくこともありますのでご了承ください。


JFL 第11節  30/05/2004 13:00 K.O.

HondaFC 3-2 佐川急便東京SC

Honda都田サッカー場 くもり

今季のHondaは、中盤を締める存在のベテラン前田が引退し、その結果システム変更を余儀なくされ、思うように勝ち点を伸ばす事が出来ていなかった。大塚、ザスパといったJ入りを掲げる面々の後塵を拝するその様子から、Hondaにかつての王者の面影なし、とする見方もあった。

たしかに、この試合でも、前半は中盤ではやや優位に立ちながらも、全般的に高い守備意識の元立ち向かった佐川東京に対して手詰まり感を見せ、後半にいたっては、完全に佐川東京に主導権を握られ猛攻に晒されたその姿には、これまでと違う印象を受けた。しかし、本質的には何も変わっていない、HondaはHondaであった。 そう思い知らされたのは、結局3-2で90分を終えた時だった。

前半に3失点を喫したが、毎度おなじみCKからの1失点を含めて、そのいずれも流れとは無関係な、唐突な隙間をキッチリと決められてのものであった。こういった、ひとつひとつのチャンスをモノに出来るのはHondaである。イーブンな立ち上がりから、佐川東京が攻勢に出たところを、古橋のフィードが上げたラインとGK佐野との間の最も遠い位置である、 PAカドの部分にポンと放り込まれて、鈴木滋に走りこまれた。佐野は必死に前に出たが、オフサイドにならなかった時点で、ここに入れられてはおしまい、という場所へのボールであった。佐川東京としては、この試合中盤で走り回り、闘志溢れるスライディングを連発し素早く巧みなパスレシーブで90分間闘い続けた熊谷をはじめ、中盤でのプレス、DFラインも集中しているように見え、さあ、これから、という雰囲気を見せていただけに 出鼻を見事に挫かれたカタチだった。その前に一度、同じように裏を取られるシーンがあったのだが…。

Honda優位で試合は動くものの、守備陣は慌てることなく、単発に終わる。佐川東京もその間隙を縫って、嘉悦がHondaゴール前に迫るものの、決定機にはつなげられない。嘉悦の魔法のみを頼みにしていたわけではなく、サイドにボールが渡るシーンも有ったが、クロスの精度は低く、またクロスを入れるタイミングも一定しており、脅威を与えるにはいたらなかった。 Hondaの攻撃は単発だったが、単発だろうが何だろうが、モノにされたら当たり前だが得点になる。29分、CKからのボールは一旦は佐野がフィスティングするもののそのボールを安部に拾われ、2失点目。最悪の時間帯である44分には、またしても鈴木滋にサイドの位置でうまくボールをキープされ、つっかけられ、古橋がシュート、佐野がパンチングで防ぐものの、最後には新田に詰められた。

こうして振り返ってみると、お互いにサイドからの攻撃を念頭に置いてはいるのだが、サイドのスペースの使い方に大きな差があった。DFにもGKにもプレッシャーにはならないPAエリアから遠い位置からの単調なクロスに終始した佐川東京に対して、Hondaは俗にいうデルピエロゾーンのカドの位置を上手く狙っており、そこでつっかけるもクロスを入れるも、そのまま抉ってプルバックのクロスを選択するも自在という感じであった。最初の失点と、3失点目がこれにあてはまる。 技術、戦術、ゲームプラン云々以前の個人戦術(いやそれ以前か)の差が出た、と言えるかもしれない。こうしたセオリーをを丹念になぞってくるのはHondaらしい。

後半、佐川東京はシステムを多少変更し、猛攻を仕掛ける。前線に入った榎本は競り合い、足元の勝負を完全にモノにし、輝きを放つ。後半立ち上がり49分には、セットプレイから熊谷の珍しいヘッダー(打点、タイミングともに完璧)による1点目を口火に、総攻撃に入る。Hondaは佐川東京の攻勢にまったくついて来られず、特にDFラインの慌てふためいた様子は専用スタジアムの都田サッカー場では特によく見て取れた。そんな雰囲気を察してか佐川東京も攻勢をさらに強める。 前半には見られなかった、サイドを抉ったりつっかけたりの多彩な攻め手が出始める。Hondaは、これに対していよいよファウルでしか止められなくなり、危険なプレイを連発した。66分には宇留野がラフプレイで2枚目のイエローを出され、退場した。

Hondaは2点のリードを良い事に、これでますます守勢に入るか、それでは数的優位も素直に喜べない…。そんな思いがよぎったその直後、68分には、セットプレイからのボールをPA内に侵入した山根が絶妙のボールコントロール一発でこれを受けつつ、DFをかわして右足でゲット!一点差に詰め寄る。Hondaベンチは、その直後に殊勲のFW鈴木滋を下げMF桶田を投入し、逃げ切りに入る。見れば「あの」古橋でさえ、中盤深い位置で守備に徹しざるを得ない状況だった。 それにしても、後半のHondaの試合ぶりは、醜いの一言であった。83分には、PA外で、スルーパスに独走した小幡の足を払う危険なタックルに及んだGK川口にイエロー。確実に得点につながっていた状況と、悪質さではレッドが相当とも思われた。Hondaはファウルでプレイで止め、パスはグラウンダーでつなぐことをやめ、放り込みに徹した。なりふりかまわないその姿にはかつての王者の面影はなかった。 結局3-2でタイムアップ。

この試合で見せたHondaの戦いぶりは、確かに見苦しく、不恰好なものだったかもしれない。しかし、ワンチャンスをものにする勝負強さは流石であった。また、3点のリードから残り45分をいかに消費するかを考えての時間の使い方は、なりふり構わないものでつまらないものではあったが、その勝負に拘る姿勢そのものには見るべきものがあったと思える。(佐川東京には決してああいった汚いファウルプレイは見倣って欲しくないが。) Hondaにあって佐川東京に無いものは、それである。Hondaというチームの底力はそこにある。今シーズン変貌を見せたとされる佐川東京とHondaの試合であったが、そこから見えたのは、本質的な部分では両チームともに何も変わってはいない、という事だった。(K)




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