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tOkYo rAiDeRsによる観戦試合のメモです。次節のためにウソをつくこともありますのでご了承ください。


JFL 第13節  12/06/2004 13:00 K.O.

横河武蔵野FC 0-0 佐川急便東京SC

武蔵野市立武蔵野陸上競技場 晴れのちくもり

JR三鷹駅から歩いて20分弱。不動産情報にまぎれるようにして横河武蔵野FCの選手写真やトロフィーが飾られている横河パイオニクスの社屋と、かつて天皇杯の予選で、ぬかるんだクレーコートと不可解な裁定の前に 佐川東京が沈んだ、あの忌まわしき横河グラウンドを見やりながら歩を進める。雨が降りそうで降らないどんよりとした空模様の下、不快指数がどんどん上昇していくようで挫けそうになっていると、 ようやく目の前に緑に覆われた試合会場が現れた。

武蔵野市立武蔵野陸上競技場は、ファンからは「聖地」と呼ばれているそうである。なるほど、緑の中に囲まれ、立派な体育館と一体になったその佇まいは「聖地」と呼ぶにふさわしいものがあった。メンバー表を入手しようと、売り場に行くと金載東が 笑みをたたえながら売り子をやっていた。横河のファンがやってきて「出ないの?」などと尋ねている。彼はサスペンションで出場停止、ということであった。佐川東京にとっては喜ぶべき事であった。 昨年、初めてこの横河武蔵野FCに敗れた際、決勝点となる直接FKは彼の左足から生まれていた。敵ながら語り草となる素晴らしいゴールだった。

さて、試合。大塚の前に手もなく敗れ去った佐川東京は、やはりメンバーを変えて臨んだ。攻撃の三人に関しては、これまでのワントップツーシャドーとは違った位置関係を築いていた。 考えてみれば、今のメンバーではワントップツーシャドーに拘らなければならない理由は薄くなってきている。新しいこの3枚の関係性は、見る限りギャップを作って攻める形などまずまずと感じたが点にはつながらなかった。

金という主要な得点パターンを失った片翼の横河武蔵野は、「聖地」にも関わらずなりふりかまわぬ守備的陣形から、前線でスピードのある小林と村山を走らせるカウンターを繰り出すシンプルな戦法で、去年の初勝利の再現を狙っているようであった。ならば、とばかりに立ち上がりからポゼッションを完全に支配し、 ほとんどハーフコートの状態を作り出し先手を取ろうという佐川東京。左の池田が柔らかいボールタッチからクロスを入れて何度も起点となる。冨山が高い位置でプレッシャーを掛け、横河武蔵野のサイドを封じ込める。左右からのクロスが横河武蔵野のゴール前を脅かし、いつかはゴールを奪えるだろうという気にさせる。 横河武蔵野の中盤の守備は、佐川東京が高い位置でボールをキープしても容易にプレッシャーを掛けては来ない。最終守備ラインはボランチとともにズルズルと下がって待ち構える。ディレイを掛けるのみで、勝負には来ない。基本的には3バックなのだが、巧みにラインをコントロールして守ろうという意識はあまり無いようで、 ゴール前に人垣を築いて守ろうという感じであった。綱渡りの守備である。

綱渡りでもなんでも失点さえしなければ、良い。横河武蔵野のカウンターはスピード溢れる2トップを操る池上の巧妙なタメとパス出しで前半何度か佐川東京のゴール前に迫るものの、佐川東京の守備陣は鈴木俊を始め、前節大塚戦とは見違えるほどの集中力の高さでこれを防いだ。前半終了間際、河合に替わって田中マサを投入。 河合が特別悪かったわけではなかったが、田中マサの投入でボールがよく収まり、また、攻守にツボを抑えた動きで起点となった。佐川東京ベンチはその後もHTに尾上、59分にマサオを投入するという早めの動きを見せる。

一方的なポゼッションと、ベンチの早い動き…。一見すると試合の主導権は佐川東京のものであった。が、これらが皮肉にもスコアレスドローという結果を招く事につながったように思える。

後半、試合が始まる頃には見られなかった日差しも強まり、ますます蒸し暑くなる中、佐川東京は序盤からスパートをかけるが、超決定機を外してしまう。しかしその後も、ポゼッション優位の構図は変わらず、攻め続ける。池田の美しい弧を描くFKがゴールを襲うが惜しくも枠の外。点が入らないまま、時間だけが過ぎていくと、 この気温の前に両者ともにガクッと足が止まり、蹴りあいの様相を呈してくる。そうすると、もともと、カウンターを旨としていた横河武蔵野は、途中出場の武田が佐川東京のゴールに迫ってくる。試合を通じての決定機は佐川東京の方が多かったが、この60分から70分の時間帯を越えると、ピンチも増えてきた。が、すんでのところで守りきる。 守備に関しては、危ないシーン多々あったが、ともかく、無失点で終われたのは良かったのではないか。

0-0のドロー。特に守備に関してのここ最近の出来から考えれば、良しとすべきものかもしれないが、確実に勝てた試合でもあった。決定機を決めきれないのは、とにかく誰でもいいから決めて欲しい、「俺が決めよう」という気持ちをより強くもって欲しい、ぐらいしか言いようがないのだが、問題は単に「決定力不足」というありがちな言葉で片付けるべきモノではないとも思える。

この試合、全般を通して横河武蔵野が中盤を明け渡したという事もあるが、佐川東京のコンパクトな中盤は終始優位なポゼッションをキープできていた。これは良い。しかし、佐川東京が攻撃において、ポゼッションをキープし、散らばった選手達をつなぐ狭いスペースの間をパスが行き来する間に、横河武蔵野の選手は自陣深くに守備ブロックを築き上げ、待ち構えている。当然、これを崩すにあたっては距離の長いクロスを選択する事が多くなる。 クロスを上げている事で、合わせられなかったり、合わせても得点に至らなかったりしても、一応は当然ながら双方の選手にもベンチにも誰の目にも「佐川東京が攻めている」ことになる。しかし、そのような展開が繰り返されるにつれて、横河武蔵野のDF陣には「慣れ」が生じてきていたように見えた。綱渡りながらも、最後には落ち着いて対処していた。その狭間に訪れる横河武蔵野のカウンター・タイムが たった一つでも得点につながれば、あわや去年の再現という事になっていたであろう。

引いた相手をいかに崩すか?というのは以前から佐川東京に与えられていた命題で、今回が初めてではない。単純にゴールに向かっていくクロスを上げるだけでは、難しい。もちろん、この試合でも相手守備ブロックを引っ張り出すような遠目からのシュートや、わずかな裏のスペースを狙ったスルーパスを瞬時に試みるシーンはあったが、惜しむべきはそれらのパスやシュートにもイマイチ精度を欠いた点だ。 武蔵野陸上競技場のピッチは前夜の雨を含んだコンディションで、軸足を取られたりドリブルを仕掛ける場面でも滑ったりというシーンが目立った。

また、予想だにしなかった蒸し暑さの中、足を止めてしまった点も挙げられる。足を止めたのは両チームともに、であった。この試合では、ベンチが早く動いて60分の時点で、3枚のカードを全て切ってしまっていた。またしても結果論になるが、双方にとって一番苦しい時間帯に交代を使えなかったのは、勿体無かった。「あと、一押し」の意思をピッチの選手に伝えるという意味でも終盤の25分間に、サムシングが欲しかった気はする。

…と、またしてもいろいろ素人考えを連ねてしまったが、要するに勝ち点3まで「もうひと工夫」なのだと思う。もう少しなんだ。がんばろう。さて、次なる相手は、新入りの癖に妙に威勢のいい「あのチーム」だ。やっちまいましょう。(K)




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