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JFL 第24節 16/10/2004 13:00 K.O. 佐川急便東京SC 0-2 横河武蔵野FC 国立スポーツ科学センター西が丘サッカー場 くもり 十条銀座商店街の佇まいは、いかにも土曜の午後らしい、ややけだるい空気と、丁度良い活況が入り混じって、 いつも通りとても心地良い空気を醸し出してくれていた。 東京と言えば、大体の人がまずは、中心部の繁華な喧騒を思い浮かべるものなのだろうが、それには異論はないものの、僕にとっての「東京」には、明らかにここらへんの 点景も大きく含まれている。十条銀座を含むスタジアムと駅とをつなぐ道のりは、これから行われるゲームに思いを馳せながら行くにも、試合の余韻をゆっくりと反芻しながら帰るにも、 丁度良い距離と、雰囲気に満ちている。この時間が、好きだ。 カップ戦でのヘビーローテという事もあるが、今年は西が丘での試合が多い。個人的には嬉しい。 だが、この試合に関しては、どこか、人目につかない遠いところででもやってくれれば…、という気持ちにすらなってしまった。ファン失格だろうか?(笑) 突如として主力にケガ人が続出し、満身創痍となった佐川東京であった。 今日も左ストッパーに入り、武蔵野の快足FW小林に振り切られまいと追いすがる馬目の姿が現状を象徴していた。厳しい試合であったのは間違いなかろう。だが、本当に負けるべくして負けた試合だったのだろうか? 敗北を決めた前半早々の失点は、またしても、何度も見た、例のパターンであった。 じっくりと、出方を見るのか?序盤から中盤と流れをモノにして、押していくのか?どのように試合をすすめるつもりか、その意図もわからないウチにやられた。それにしても、毎度お馴染みの例のパターンは、もうどうにもならないのだろうか? なぜなのか?あのパターンが守れないのであれば、現代フットボールの世界で勝ち続けるのは無理である。たとえ、アマチュアでも、だ。 そして、反撃に出るべく仕方なく?ラインを上げたところで、タテ一本を通され、おだぶつ。 いくら、神の如き逆転勝ちを「定期的に」やってのける佐川東京とは言え、こういう安易な失点をしては 逆転への流れも作れなくなるものなのではなかろうか。劇的な試合も良いが、序盤にキッチリ攻め切って先行逃げ切り、という試合を望みたい。 それにしても、攻めても守っても粘りがない。工夫もない。ポゼッションを奪っても点につながらないのは、 PA近くにボールを運んだ後の工夫や意図が見えないという事ではないか?カードを切り終わった後、哀れ、割を食わされたかのように馬目が負傷退場して10人になる前から、武蔵野が引いていたこともあり、ボックス付近での数的優位は作れていなかった。 テクニック勝負や、アイデアも必要だが、まずは局面での数的優位を作る努力だ。その為に必要な各人の運動量や意図ある動き出しが、あまりにも少なすぎた。 シーズン中に天皇杯も戦う佐川東京には、この試合に対するモティベーションという問題があった。 どう見ても横河武蔵野が、お世辞にもご大層なフットボールをやっているようには見えないながら、結果的に終始プラン通り試合を運ばれてしまったのは、 短絡的だが、ひとえにこの試合に対する姿勢の違いだった、としか言いようがない。一つの一つのプレイに対して、迷いや思いきりの悪さを見せつづける佐川東京に対し、 横河武蔵野は、とりあえず全て身体ごとぶつかってきた。特に前線の小林の献身的な守備と、決勝点を決めたDF西口の戦いぶりには、舌を巻いた。 不恰好でも何でも勝とうという意識が伝わってきた。 2点は決してどうにもならないビハインドではなかったはずだが、佐川東京は試合を早々に見切ってしまった。選手も、ベンチも、そして、僕を含めたファンも…。 つーか、本当は「モティベーションが…」とか言いたくない。だが、それ程、内容の薄い試合だった。察して欲しい。 あの日、西が丘に集まった観衆は、決して多くはなかったが、何かを期待して集まっていたはずである。ただの三百うん人ではない。 いろいろな選択肢の中から、西が丘を選んでいる。そのオーディエンスにせめて「何か」を見せなければ、いつまでも三百うん人…、いや、減るかもしれない。 ただ、そんな中、尾林の柔らかいクロスと、序盤の河合の裏に抜けてフィニッシュを狙う動きには、若干の可能性を感じた。何もなかったわけではない。 いつもなら、幸せな気分で歩く筈の十条の道を、やり場のない思いを抱きながら、観戦した方たちと言葉を交わしながら、歩く。 そうすると、目に入ってくるいつもの町並みの情景もあいまって、いくらか気持ちも和らいだ気がした。 「江戸っ子は、すぐに忘れるんだよ」 釈然としない顔をしていると、僕なんかよりずっと前からフットボールを見つづけているある方が、別れ際にこう言ってくれた。そうなのだ、また次の試合は来る。 怒っても悲しんでも。それがフットボールだ。こういう場合、僕には「次、頑張れ」としか掛ける言葉しかみつからない。東京のチームらしく、颯爽と復活して欲しい。(K) |