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第83回天皇杯東京都予選”東京都サッカートーナメント”準決勝  
29/08/2004   19:00 K.O.

佐川急便東京SC 2-1 国士舘大学

国立スポーツ科学センター西が丘サッカー場  雨

先週の暑いさなかのデイゲームとうってかわって、そぼ降る雨の中試合は行われた。風雨もあいまって非常に気温が低く、初秋の陽気との事であった。

この試合の前に、準決勝のもう1カードである横河武蔵野と中央大との試合が行われていた。学生チームらしく、コンパクトかつシンプルな中央大の前に苦戦した 横河武蔵野の姿を見ると、心配性の僕としてはどうしても不安にならざるを得ない。毎年の事ではあるが、今年もすでにいくつかのJFLチームが、地方の予選にて学生チームの軍門に降っている。

だが、そのような危惧は、今の佐川東京には全く無用な、ある意味失礼とも言えるものであった事に、試合が始まって間もなく気づかされた。コンパクトかつシンプル。 手垢のついた表現ではあるが、学生チームの戦いぶりを端的に表すこのフレーズにふさわしいアクティブなフットボールを実践していたのは佐川東京の方であった。

その要因はいくつか考えられるが、まず考えられるのは、熊谷、中払のダブルボランチによる非常に献身的かつ鋭い読みの守備が効いていた点と、奪ってから次のアクション、特に左右に広いパスレシーブが ワンタッチ、ツータッチと早かったことであろう。パスがテンポ良く回る為には、受け手の動きも必要だが、両ワイドによる追越しの動きや、自由に動き回る山根のスペースをつく動きが効果的だった事も相乗効果となっていた。 これぞ其田監督曰く「連動」のフットボール。厚みのある波状攻撃は見ていて面白い。ポゼッションフットボール万歳(?)である。中盤での守備が効いていたという事も大きいが、去年見られたような国士のハジケるような超早いパスサッカーは見られず仕舞だった。

竹谷も良く頑張った。前線中央に踏みとどまってフィードに競り勝つ姿は良かった。惜しまれるのは、ポストの後を上手く受ける選手がいないことが多かった事か。最後尾には鈴木俊が戻った。 運動量とカウンターの刃をちらつかせる相手にも臆せず勇気を持ってコンパクトなライン統率を続け、また落ち着き払ったカバーリングも見事であった。右には井上公平が久々の登場となったが、持ち前の中央にカットインして フィニッシュを狙う動きなどはキレていた。そう言えば去年の天皇杯予選の時期も、非常に好調であった。先週お休みとなった事への奮起か?出てきた選手はそれぞれに持ち味を発揮していた。ミスも最小限であったと思う。

そんな訳で、立ちあがりからハーフコートで押し捲っていたのは佐川東京であった。いくつものCKのチャンスがあったが、どう言うわけか決まらない。国士舘GK吉岡の好守もあるが、試合を通じてフィニッシュへのミスがあったのも事実である。 先制点は51分。中央やや左の位置から中払のやわらかく上げたファーへのクロスに飛び込んだ竹内がドンピシャリの右足ジャンピングボレーで気持ち良くゴールネットを揺さぶった。ただし、竹内は国士舘のDFであった。

こんなにチャンスが多いのに、決まったのは自殺点というのが皮肉っちゃあ皮肉だが、勝てばなんでも良い。しかし、勝つにはもう一点は必要だろうな…てな事を考えていたら、佐川東京としても同じ考えだったらしく、 ベンチは攻撃的なカードを切り、攻めの姿勢を崩さない。待望の追加点は70分過ぎだろうか、吉岡のフィードミスを池田が拾ったところからの攻勢が最後はゴール前での混戦となる。こぼれたボールをゴール正面で待ち構えていたのは山本正男。 右足インステップできっちりミートしたボールは低い弾道でゴールに向かい、今度こそ(?)気持ち良くゴールネットを揺さぶった。

残りは15分あまり。この内容なら、まず間違い無く勝利はカタいので、残り時間をダラダラと使ってキッチリと試合をクローズする事だけに注力してほしいと思っていたのだが、運動量の低下とともになんとなく過ごしてしまったようである。 プレスの係りが悪くなった中盤でボールを奪われる事が多くなり、最後には混戦から菅原にプッシュされて失点。これが40分。これにより、すっかり足が止まっていたように見えた国士イレブンが地獄の底から蘇り、ロスタイムにはCKの連続というシーンがあったが、 不思議とやられる気がしなかった。最後はゴール左上スミギリギリのところに蹴り込まれたミドルを佐野が華麗にセービングして笛。佐川東京には佐野がいる。ということで、終幕。

国士に去年ほどの怖さがなかったというのも言えるが、この局面で平押しに押して当たり前のように勝ちきれるようになったという事が、今更ながら感慨深い。そういえば、開幕2戦目も雨がそぼ降るこの西が丘でほぼメンツの変わらない国士相手に苦汁を飲まされた。 その時もポゼッションで押してはいたが、点を取る事が出来なかった。カップ戦では内容は問わないとは、いつも言っているが、長足の進歩を遂げていると感じる。さて、次の相手は横河武蔵野。温存していたエース村山も出てくるだろう。前回対戦でのドローに倣い、なりふりかまわず守備的な試合を挑んでくる事も考えられる。それを崩して勝利を奪い、東京代表の称号を何としても得たい。(K)




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